久しぶりの更新です。
ずっと24時間一緒だった2歳の息子も保育園への通学が始まり、ようやく慣らし保育も済んで私の生活にも時間的なゆとりが出てきました。
今後はまたぼちぼちこのブログも更新していきたいと思います。
今回はイタリア在住日本人の間でも話題になっている滞在許可証の電子カードへの切り替えについて。
紙の滞在許可証は2023年8月3日をもって廃止に
イタリア人と結婚している場合、滞在許可証は”Carta Di Soggiorno Di Familiare“というペラッペラのB5の紙。
就業ビザなど他の滞在許可証”Permesso Di Soggiorno“はカードなのに、何故に家族のだけ!?と問いたくなる。
折り目をつけたら速攻で破れそうなので、私は↑このように百均で買った健康保険証ホルダーに入れて持ち歩いている。
この紙の滞在許可証、ペラッペラなだけでなくEU圏内の他の国では乗り継ぎの際の入国手続きで引っかかるなど在住の日本人の間では大不評であった。
そんな折、昨年春に朗報が入って来た。
滞在許可証は全て電子カードとなり、現行の紙の滞在許可証は2023年8月3日をもって廃止とのこと!
いえ〜い!これで一時帰国する時も他の国の乗り継ぎでビクビクしなくて済むぞ〜!
と喜ぶ反面、またあの忌まわしいクエストゥーラ(Questure)へ行かなければならないのか…とゲンナリ。
2023年8月3日までは現在の紙の滞在許可証も問題無く使えるとのことだが、今年の冬の一時帰国の前に電子カードにしておきたい、ということで意を決して変更手続きをすることに。
滞在許可証の更新手続きの申請方法
この電子カードへの切り替え手続きを申請するには2〜3通りの方法があるようだ。
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- 直接クエストゥーラ(Questure)の訪問予約をして申請
- 郵便局でキットをもらって必要事項を記入し、郵便局から申請
- Patronatoを通して申請するケースも!
Patronatoについてはこの後詳しく記述します。
直接クエストゥーラ(Questure)の訪問予約をして申請する方法
直接クエストゥーラ(警察署)で申請を行うには、まず州警察のサイトで訪問予約をする必要がある。
予約にはSPIDというイタリアの電子認証システムのIDが必要となる。
SPIDは郵便局で取得することができるが、この取得手続きやSPIDの利用方法などはまた別記事で紹介したいと思う。
郵便局(postali)でキット(kit)をもらって申請する方法
2つ目が郵便局でキット(kit)と呼ばれるA4大の封筒に入った書類の束をもらって申請する方法だ。
日本のように郵便局に入れば親切にズラリと記入書類が置いてあるわけではないので、キットをもらうためだけにも窓口へ行かなければならない。
そして手渡してもらったキットに同封されている書類に必要事項を記入し、その他の必要書類を揃えて再び郵便局の窓口へ行き、窓口でクエストゥーラ(警察署)の訪問予約を取ってもらうのだ。
クエストゥーラによっては直接訪問の予約ができない?
そんな折、夫が丁度パスポートの更新手続きのためにクエストゥーラへ行くというので、ついでに滞在許可証の申請に必要な書類も聞いてきてもらった。
すると私の街のクエストゥーラの場合、滞在許可証の電子カード化申請は郵便局のキットを使うようにと言われたそうだ。
しかしローマ界隈では「郵便局で手数料を払ったのにクエストゥーラが受け付けてくれなかった」というケースもあるので、カオスだ。
とりあえず自治体によって言うことが異なることで有名なクエストゥーラ。
うちはうちの自治体のクエストゥーラに言われた通り、郵便局へキットを取りに行くことにする。
郵便局でKit(キット)を受領
郵便局にKitなるものをもらいに行くことにしたが、一体どんなもので、どうやって貰えば良いのだろうか。
とりあえず封筒の外観は↑このようにA4版で黄色いラインが入ったものらしい。
Kitとは?
キットキットと言われているが、普通にA4大の封筒に入った説明書と記入書類一式のことだ。
移民ポータルのサイトでキットの封筒の外観や同封されている書類一式、発行手数料の支払いに必要となるbollettino(収入印紙)などの外観を確認することができる↓
街の郵便局ではKit(キット)は品切れ!
わんぱく2歳児連れで郵便局に行くのは結構骨が折れるので、夫の所用のついでに取ってきてもらうことにした。
夫はわざわざ早朝に窓口の予約を取って街の郵便局に行ってくれたのだが、なんとキットが無いと言われたという!
実は隣町に住んでいる他の在住日本人の方が半年ほど前に同じように電子化の手続きをしようと思ったものの、郵便局にキットが無くて諦めて未だ申請していないという話も聞いていた。
…このエリアでは半年前から既にキット不足ということか!?
隣町の郵便局で無事入手
夫がまた別の街の郵便局に予約を入れてくれ、今度は息子も連れて3人で訪れたところこの郵便局には未だキットがあった!
良かったぁ。。
キットを手渡される際、窓口で対応してくれた女性にこんなことを言われた。
「もし分からないことがあったらPatronato(パトロナート)に頼むといいわよ」
…Patronato(パトロナート)って何だ!?
Patronato勤務の夫の従兄弟に書類記入を依頼
郵便局の人にはPatronatoなるものの支援をアドバイスされたが、まあ配偶者がイタリア人なら必要無いだろうと夫に記入書類を確認してもらうことに。
が、どうもこの滞在許可証更新のKitの書類はイタリア人でも難しい箇所があるという。
イタリア人でも難解な書類の記入
夫「…難しい。俺でも何て書いたらいいか分からない箇所がある」
と言い出す。
夫「記入ミスをしたら書類を突き返されて面倒だからPatronato(パトロナート)をしている俺の従兄弟に応援を頼もう」
でた!Patronato!
というわけで、書類の記入は8月下旬の夫の実家への帰省時にすることに。
Patronato(パトロナート)とは?
で、結局Patronato(パトロナート)って何!?ということで調べてみた。
Patronatoは直訳すると「後援」という意味だが、イタリアでは保護協会と呼ばれる政府公認の民間の非営利団体のようだ。
その主な活動内容は
労働組合、同業組合等を基盤として組織され、年金や各種公的給付受給に関する法的な相談・助言等を行っている。
とのこと。(イタリアにおける国と地方の役割分担というリサーチ記事より)
また、外国人に対しては滞在許可証申請のフォローや労働環境のフォロー(不当解雇・退職金・失業保険・産休など)を行っているらしい。
しかも全て無料!
そんなありがたい組織があったんか〜!!
Patronato(パトロナート)の組織は沢山あるらしいのだが、ここでは主なものを挙げておく。
イタリア人の配偶者がいる方でもPatronatoを利用されている方がいるようだし、クエストゥーラによってはPatornatoを通して申請予約をするよう求める所もあるらしい。
Patornatoはいつでもオープンしているわけではないらしいので、必ずサイトから事前予約を取って訪問した方が良さそうだ。
元Paronato勤務の夫の従兄弟へ記入を依頼
というわけで、我が家の場合はArciという組織で働いていた夫の従兄弟に記入を依頼することに。
8月下旬、夫の地元のレッチェに帰った際に夫の従兄弟に頼んで私の書類の記入を手伝ってもらった。
心強い!
Kitの他に必要な準備書類
Kitと含めて夫がクエストゥーラで直接聞いた、滞在許可証の更新・電子カード化の申請に必要な書類は以下の通り。
これらを揃えて再び郵便局へ申請に赴くのだ。
- 郵便局でもらうKit
- 私のパスポートのコピー(写真のページ)
- 私の滞在許可証のコピー
- 私のID(Carta d’identità )のコピー
- 私の保険証(tessera sanitaria)のコピー
- 夫のID(Carta d’identità )のコピー
- 息子のID(Carta d’identità )のコピー
- 婚姻証明(CertificatoMatrimonio) ※1
- 住民票(Certificato di residenza)※2
- 家族構成の証明(Certificato stato famiglia)※2
- 夫の収入証明
- マルカダボッロ(印紙)16ユーロ →Tabacchi(タバコ屋)で購入
- 電子許可証の発行手数料分のbollettino(振込用紙)30.46ユーロ →郵便局でもらい、郵便局で支払う
ちなみに8〜10の婚姻証明・住民票・家族構成の証明については、SPIDがあれば自治体のウェブサイトからダウンロードすることができる。
※1:婚姻証明は、他の方のブログによると市の印が入った結婚証明書(つまり婚姻届を出した自治体で発行された婚姻証明の原本?)でないと受け付けてもらえないという話もあったが、郵便局では現住所の自治体からダウンロードしたもので受け付けてくれた。
※住民票と家族構成の証明については、他の方のブログではCertificato di residenza e stato di famiglia contestualeという住民票と家族構成が一緒になった書類でなければならないようだが、一応郵便局ではこのバラバラの書類で受け付けてくれた。
不安極まりない郵便局で滞在許可証の申請
こうして8月下旬に書類の記入はできたものの、諸々の書類の取得に時間がかかってしまい郵便局に行けたのは先日10月22日。
揃えた書類を携え、わんぱく2歳児を抱えて夫に付き添ってもらい郵便局に赴いた。
頼りなさ過ぎる郵便局員
しかしこの窓口の職員さんがまあ頼りない。
滞在許可証の申請だと言えば通じるかと思いきや、初めて見るといった感じでしげしげと申請書類を眺めた後、
「bollettinoに価格の記入が無いから記入して」
と。
申請価格はネットの情報で知っていたものの、万が一間違っていたら嫌なので空欄にしておいたのだ。
「30.46ユーロで間違いないですよね?」
と聞くと
「知らないわ」
と。おいおい…
その後もおぼつかなさ大爆発。他の職員に聞きに行って二人で首を傾げたりなどしつつ、こちらの不安は膨らむ一方。
印紙代、bollettinoに加えて郵便局の手数料として30ユーロを支払う。
合計76.46ユーロ。現時点の為替相場で約12,000円。高ぇ…。
まあそんなこんなで一応何とかクエストゥーラの予約票を発行してもらうことができた。
予約は1ヶ月後、
…電子カードの発行は12月までの一時帰国までには間に合わないだろうなぁ泣。
参考にさせて頂いた先輩方のブログ
実はこの滞在許可証の電子カード化申請、情報が出揃うまで様子を伺っていたというのもある。
有難いことに在住期間の長いベテランの先輩方が既に更新手続きを終えてブログ記事に起こしてくださっているので参考にさせて頂いた。
申請方法がそれぞれ全然異なるので、全てのケースに目を通しておいて損は無いと思われる。
↓まずは以前もこのブログで記事を紹介させて頂いたフィレンツェ在住のChihoさんのブログ。
SPIDを使って直接クエストゥーラに申請したケース。

↓モデナ在住のあかねさんのブログ。Patronatoを通して予約をしたというレアなケース!

↓ローマ日本人会の事務局スタッフさんによるブログ。こちらは郵便局で手数料を払ってクエストゥーラの予約をしたにも関わらず、予約日にクエストゥーラに行ったら受け付けできないと言われてしまったケースが…(酷過ぎる。。)

↓ヴェローナ在住のもっちさんのブログ。こちらは2012年の記事だが、Patronatoを利用してKitで郵便局申請をされた際のことが記載されている。
はてさて。私はどうなることやら…泣
またクエストゥーラに訪問したら続きをアップデートしようと思います。
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