イタリア、新型コロナウィルス(Covid-19)感染状況レポート【2020年3月21日(土) 18:00時点】
コロナウィルス(Covid-19)の感染状況【2020/3/21(金)18:00時点】
これまでイタリア政府の公式サイトからの情報をメインに載せていましたが、痒い所に手が届くグラフが無く…ほかの研究機関の情報も抜粋し、より分かり易くリニューアルしました。
※前回(3/20)のレポートはこちら↓
※コロナウィルスの関連記事の一覧はこちら↓
イタリア全体の感染者数
イタリア政府の公式発表による感染拡大状況は以下の通りです。
【2020/3/21(土)18:00時点】
- 感染者数サマリ(カッコ内は前日からの増加数と増加率)
- 累計感染者数:53578(+6557 +13.9%)
- 死者:4825 (+793, +19.7%)
- 治癒者:6072 (+943, + 18.4%)
- 現在の陽性反応者:42681(+53578)
- 現在の陽性反応者(42681名)の内訳
- 無症状・軽症(自宅隔離):22116(↑2931)
- 症状有(入院):17708(↑1688)
- 重症:2857(↑202)
感染者数、治癒者、死亡者数の推移(累積)
左から順に、現在の陽性感染者、治癒者、死亡者、累積感染者
※参考:Lab24 oreより
感染者数、治癒者、死亡者数の推移(日次)
左から順に、①陽性感染者、②治癒者、③死亡者、合計(①+②+③)
※参考:Lab24 oreより
新規感染者数、及び増加率の推移
これは欲しいグラフが提供されていなかったため、私(Lui)が独自に作りました。
(提供サイトをご存知の方、いらっしゃいましたらTwitterかこのブログのContactより教えて頂けると嬉しいです!)
<新規感染者数の推移>
<対前日増加率の推移>
793名。過去最多の死亡者数。死亡者の平均年齢は79.5歳
本日だけで793名の方が亡くなりました。
イタリア国立衛生研究所(ISS)によると、死亡者の平均年齢は79.5歳。しかもその99%が高血圧や糖尿病などの複合疾患を抱えていたということです。
ロンバルディア州、特にベルガモでは医療現場の厳しい状況は日を追って深刻になりつつあるようです…
新規感染者数は、3/13〜3/16にかけ、一次減少傾向になったと思われましたが、以降は増加中。本日は最多記録を再び更新し、6557名です。(「新規感染者数の推移」のグラフを参照)
ただ、次の「対前日増加率」をご覧頂くと分かるように、日々の新規感染者の増加の仕方は、3/16以降は14%前後に落ち着き、跳ね上がるような傾向は見せていません。
重症者は本日再び200名を上回りました。
イタリア各州の感染状況
州別の感染状況
※corriere紙より
左から順に、(陽性感染者中)有症入院患者、(陽性感染者中)重症患者、(陽性感染者中)自宅隔離、現在の合計陽性感染者、治癒者、死亡者、累計感染者、検査数。
<州別の感染者数と前日からの増加数・増加率>
- ロンバルディア州(州都ミラノ):25515 (+3.251, 14.6%)
- エミリア・ロマーニャ州(州都ボローニャ): 6705 (+737, +12.3 %)
- ヴェネト州(州都ヴェネチア): 4617 (+586, +14.5 %)
- ピエモンテ州(州都トリノ):3752 (+291, +8.4 % )
- マルケ州(州都アンコーナ):2153 (+172, +8.7 % )
- トスカーナ州(州都フィレンツェ):2012 (+219, +12.2 %)
- リグーリア州(州都ジェノヴァ):1436 (+215, +17.6 %)
- ラツィオ州(州都ローマ):1190 (+182, +18.1 %)
- カンパニア州(州都ナポリ):844 (+95, +12.7 %)
- フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州(州都トリエステ):790 (+134, +20.4 %)
- トレント(特別自治州):782 (+140, +21.8%)
- プーリア州(州都バーリ):675 (+94, +16.2 % )
- ボルツァーノ自治県(県都ボルツァーノ):621 (+73, +13.3 %)
- アブルッツォ州(州都ラクイラ):529 (+80, +17.8 %)
- シチリア州(州都パレルモ):490 (+82, +20.1 %)
- ウンブリア州(州都ペルージャ):462 (+67, +17%)
- サルデーニャ州(州都カリャリ):330 (+37, +12.6 %)
- ヴァッレ・ダオスタ自治州(州都アオスタ):313 (+49, +18.6 %)
- カラブリア州(州都カタンザーロ):235 (+28, +13.5 %)
- バジリカータ州(州都ポテンツァ):66 (+14, +26.9%)
- モリーゼ州(州都カンポバッソ):61 (+11, +22%)
州別の累積感染者数の比較グラフ
これも欲しいグラフが無かったので、私が独自に作成しました。
第1群(ロンバルディア州、他4州)
最も感染者数が多いロンバルディア州、エミリア・ロマーニャ州、ヴェネト州、ピエモンテ州、マルケ州の計5州のグラフです。
こうして見るといかにロンバルディア州がダントツに多いか、一目で分かりますね。3/19よりグラフの傾斜がきつくなり、増加の勢いも増しています。
第2群(トスカーナ州、他3州)
次に感染者数が多いグループ、トスカーナ州、リグーリア州、ラツィオ州、カンパニア州のグラフです。
私が住むトスカーナ州は、3/13頃より感染者の増加の仕方が増しているのが分かります。
第3群(フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州、他5州)
3番目に感染者が多いグループ、フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州、トレント特別自治州、プーリア州、ボルツァーノ自治県、アブルッツォ州、シチリア州の計6州です。
この6州も、3/16頃から増加の勢いが増しているように見えます。
第4群(ウンブリア州、他5州)
最後に、南部を中心とした感染者数が最も少ないグループ。
ウンブリア州、サルデーニャ州、ヴァッレ・ダオスタ自治州、カラブリア州、バジリカータ州、モリーゼ州の計6州です。
特にウンブリア州、サルデーニャ州、ヴァッレ・ダオスタ自治州の3州は、3/18より急に増加の勢いを増しているのが分かります。
ロンバルディア州、トスカーナ州内の県別感染者数
感染者数が最多のロンバルディア州と、私が住むトスカーナ州の県別の感染者数について。
ロンバルディア州
- Bergamo 5.869
- Lodi 1.693
- Cremona 2.733
- Brescia 5.028
- Milano 4.672
- Pavia 1.194
- Mantova 842
- Lecco 818
- Monza e Brianza 1.084
- Varese 359
- Como 452
- Sondrio 179
- In fase di definizione/aggiornamento: 592
トスカーナ州
- Firenze 451
- Lucca 307
- Massa Carrara 256
- Siena 133
- Pisa 211
- Pistoia 181
- Livorno 120
- Arezzo 136
- Grosseto 106
- Prato 111
本日のイタリアの主なニュース
買い物頻度を落とすため、大体2週間分の食料を買っている我が家ですが、昨日はいよいよ在庫が無くなり、一度スーパーのオンラインサイトから注文しようとしました。
…が、TOPページには特に何の注意書きも無かったので、「これは注文できるのか?」とそのまま商品を選んでポチポチしてみたものの、最後の最後で「お届け日時」を選ぶ段階になって全ての日時がNG。
そりゃそうですよね汗。
エッセルンガというスーパーでは、お年寄りの方向けに、無料で配送するサービスを始めているそうです。配送リソースは、全てこちらにかけられているのかもしれません。
仕方なく本日の早朝に夫が買い物に出てくれましたが(今は一家族一人しか買い物に行けない)、入るまでに3時間待ちだったようです…
しかし商品棚には潤沢に商品が並び、買い占めで棚が空っぽになるような事態は起きていなかったとのこと。
物流は正常に機能しているようで安心しました。
コンテ首相による新たな外出禁止措置の追加
イタリアでは10日から全土で外出禁止措置が取られていましたが、未だ感染拡大に歯止めがかかりません。
3日前には大勢のミラノ市民ランナーが混み合う街道をジョギングするショッキングな画像が流れ、公園が閉鎖されると、今度は↓こちらのように人がいなくなったミラノのドゥオモをジョギングコースにするランナー達も発生。
これに対し、他州の住民達からは怒りの声が上がりました。
Milano, parchi chiusi? Runner non si fermano: i "padroni" della città https://t.co/s488U2VjBE
— Repubblica (@repubblica) March 20, 2020
これにはコンテ首相も怒り心頭。
昨晩遅くに新たな追加措置がされました。
- 本日(21日)から4/3(金)までの工場やオフィスなどの稼働の禁止
- 国内の全ての公園の封鎖
- ジョギングなどの屋外の運動も禁止
- 違反した場合の罰金は最大203ユーロだったのが、5千ユーロへ引き上げ
など。
違反者の取り締まりも厳しくなり、軍の派遣や、ドローンでの開始も始まったそうです。
※参考↓「コロナ世界最悪のイタリア「53000人が違反外出」 “感染街”ミラノ近郊の日本人はどう暮らしてる?」
医療現場が限界を迎えるロンバルディア州
イタリアでは最先端の医療を誇る北部、ロンバルディア州でも、医療現場が限界を迎えようとしています。
本日793名の死亡者を出したイタリアですが、内546名、つまり約70%はロンバルディア州です。
ロンバルディア州の医療現場では、医療関係者の感染が増加し(約1000名)、感染した医師の診察を受けた患者に感染する、院内感染が起きているとのことです。
州内で最も感染者が多いベルガモの病院へ、イギリスのテレビが取材に入った様子がこちら↓
感染拡大が止まらない北イタリア、ベルガモの病院にイギリスのテレビ局のカメラが入りました。想像を超えた極限状況です。https://t.co/FbWB3e9SLS
— 橘 玲 (@ak_tch) March 21, 2020
混乱状態にまでは陥っていない、が、多忙を極める院内の様子です。
これ以上感染者が増えると、確実に溢れる極限状態です。
これから新卒の医師もや引退した医師も現場に投入されるとのこと。
本日からの厳しい外出制限により、感染拡大が食い止められることを祈るのみです。
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