イタリア、新型コロナウィルス(Covid-19)感染状況レポート【2020年3月27日(金)、28日(土) 18:00時点】
コロナウィルス(Covid-19)の感染状況【2020/3/27(金)、28日(土)18:00時点】
※前回(3/26)のレポートはこちら↓

※コロナウィルスの関連記事の一覧はこちら↓

昨日27日はあまりにもショッキングな数字が目に飛び込んで来ました。
1000名近い死亡者数…このレポートを更新するのも、気が重いです。。
イタリア全体の感染者数
イタリア政府の公式発表による感染拡大状況は以下の通りです。
【2020/3/27(金)18:00時点】
【2020/3/28(土)18:00時点】
- 感染者数サマリ(カッコ内は前日からの増加数と増加率)
- 累計感染者数:86498(+5959 +7.4%)→92472(+5974 +6.91%)
- 死亡者:9134 (+969 , 11.9%)→10023 (+889 , +9.73%)
- 治癒者:10950 (+589, 5.7%)→12384 (+1434)
- 現在の陽性反応者:66414(+4401)→70065(+3651)
- 現在の陽性反応者(66414名)の内訳
- 無症状・軽症(自宅隔離):36653(+3005)→39533(+2880)
- 症状有(入院):26029(+1256)→26676(+647)
- 重症:3732(+120)→3856(+124)
一昨日27日の新規感染者数は5959名、昨日28日は5974名。一昨日の6153名から194名減少→15名増加と、6000名を切る推移で増減しています。
1日の死亡者については、一昨日25日は683名、昨日26日は662名と、減少していくと思いきや…一昨日27日は突然の969名、昨日28日も889名と、900〜1000名近くに跳ね上がりました。。
一方で新規の重症者は、数日前が一日200名近く発生していましたが、26日は123名、27日は120名と、28にちは124名と、120名前後で推移しています。
また、28日は1日の治癒者が過去最高に。1434名の方が回復しています。
感染者数、治癒者、死亡者数の推移(累積)
左から順に、累積の陽性感染者、治癒者、死亡者、累積感染者
※参考:Lab24 oreより
日次の新規感染者数、新規治癒者、新規死亡者数の推移
左から順に、①陽性感染者、②治癒者、③死亡者、④本日の新規感染者数(①+②+③)
※参考:Lab24 oreより
赤い線が、日次の新規の感染者数です。
3/26に6153名と、再度6000名を超過しましたが、27日、28日と再び6000名を切って推移しています。3/26が予測されていた2度目のピークだったのでしょうか…?
先述の通り、死亡者が1000名に達する勢いになってしまいました。
一方で治癒者は死亡者を超える1434名。どうかこのまま回復する人が増えてくれますように。。
感染者数の増加率の推移
増加率の経過を見ると、3月初頭から確実に減少傾向と言えますね!昨日は6.9%と、過去最低。このまま下がれ〜!!
日次検査数と陽性感染者の割合
- 26日
- 検査数:36615(+9134)
- 陽性感染者数:6153(+943)
- 検査数における陽性感染者の割合:16.8%
- 一昨日(27日)
- 検査数:33019(-3596)
- 陽性感染者数:5959(–194)
- 検査数における陽性感染者の割合:18.0%
- 昨日(28日)
- 検査数:35447(+2428)
- 陽性感染者数:5974(+15)
- 検査数における陽性感染者の割合:16.9%
ここの所、1日3万件以上の検査数。
一方で検査数に占める感染者数の割合は、16〜18%で推移しています。
イタリア各州の感染状況
州別の感染状況
※ilmeteo.itより
左から順に、(陽性感染者中)有症入院患者、(陽性感染者中)重症患者、(陽性感染者中)自宅隔離、現在の合計陽性感染者、治癒者、死亡者、累計感染者、検査数。
【3/27(金)】
【3/28(土)】
<州別の感染者数と前日からの増加数・増加率>
- ロンバルディア州(州都ミラノ):37298 (+2409, +6.9%)→39159 (+2117, +5.68%)
- エミリア・ロマーニャ州(州都ボローニャ):11588 (+772, + 7.1%)→12383 (+791, +6.86%)
- ヴェネト州(州都ヴェネチア): 7497 (+562, 8.1%)→7930 (+433, + 5.78%)
- ピエモンテ州(州都トリノ):7092 (+558, 8.5%)→7671 (+579, + 8.16%)
- マルケ州(州都アンコーナ):3196 (+82, 2.6% )→3373 (+177, + 5.54%)
- トスカーナ州(州都フィレンツェ):3450 (+224, 6.9%)→3817 (+367, + 10.64%)
- リグーリア州(州都ジェノヴァ):2696 (+129, 5%)→2822 (+126, + 4.67%)
- ラツィオ州(州都ローマ):2295 (+199, 9.5%)→ 2505 (+210, + 9.15%)
- カンパニア州(州都ナポリ):1454 (+144, 11%)→1592 (+138, + 9.49%)
- フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州(州都トリエステ):1317 (+94, 7.7%)→1436 (+119, + 9.04%)
- トレント(特別自治州):1391 (+94, 7.2%)→1505 (+114, 8.2%)
- プーリア州(州都バーリ):1334 (+152, 12.9%)→1458 (+124, +9.3%)
- ボルツァーノ自治県(県都ボルツァーノ):1003 (+97, 10.7%)→1109 (+106, +10.57%)
- アブルッツォ州(州都ラクイラ):1017 (+71, 7.5%)→1133 (+116, + 11.41%)
- シチリア州(州都パレルモ):1250 (+86, 7.4%)→1359 ( +109, + 8.72%)
- ウンブリア州(州都ペルージャ):884 (+82, 10.2%)→969 (+85, +9.62%)
- サルデーニャ州(州都カリャリ):530 (+36, 7.3%)→624 (+ 94, +17,74%)
- ヴァッレ・ダオスタ自治州(州都アオスタ):452 (+44, +10.8%)→511 (+59, +13.05)
- カラブリア州(州都カタンザーロ):494 (+ 101, 25.7 %)→555 (+61, +12.35%)
- バジリカータ州(州都ポテンツァ):151 (17, 12.7%)→182 (+31, + 20,53%)
- モリーゼ州(州都カンポバッソ):109 (+6, 5.8%)→123 (14, +12.84%)
州別の重症患者、入院患者、自宅隔離者
【3/27(金)】
【3/28(土)】
医療リソースの不足が懸念されているロンバルディア州の重症者数は、25日より1236→1263(+27)→1292(+29)→1319(+27)と、1日に27〜29名で推移しているようです。
州別の累積感染者数の比較グラフ
以下は私が独自に作成したグラフです。
第1群(ロンバルディア州、他4州)
ロンバルディア州、エミリア・ロマーニャ州、ヴェネト州、ピエモンテ州、マルケ州
ロンバルディア州(青い線)の新規感染者は、26日から2543名→2409名→2117名と減少傾向。
ロンバルディア州の日次の死者数については、26日から387名→541名→542名と、増加。
イタリア全土の28日の死者数889名の内、約60%はロンバルディア州が占めています。
1群の全体の増加率は10%を切る形で推移しており、爆発的な増加は見られません。
第2群(トスカーナ州、他3州)
トスカーナ州、リグーリア州、ラツィオ州、カンパニア州のグラフです。
26日に3000名を突破したトスカーナ州は10.6%の増加率を維持しており、28日には3817名。本日29日には4000名を突破しそうです。
リグーリア州は27日から5%前後と落ち着きを見せていましたが、ラツィオ州、カンパニア州は以前10%近くの勢いで増加しており、5%前後に落ち着いてきた1群に比べるとまだ増加率が高いように見えます。
第3群(フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州、他5州)
フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州、トレント特別自治州、プーリア州、ボルツァーノ自治県、アブルッツォ州、シチリア州
南部を含む3群。
ほとんどの州で増加率は10%を切り、2群と同程度に落ち着いたように見えます。
アブルッツォ州のみ、増加率11.4%とやや高く、27日には1017名と、他州に続いて1000名を突破しました。
第4群(ウンブリア州、他5州)
ウンブリア州、サルデーニャ州、ヴァッレ・ダオスタ自治州、カラブリア州、バジリカータ州、モリーゼ州
4群は全体的にまだ高い増加率を維持しています。
ウンブリア州は28日に900名を突破して969名。他州との差が激しくなり、3群にグルーピングした方が良さそうな数値になってきました。
他、サルデーニャ州は17.7%、ヴァッレ・ダオスタ州は13.1%、カラブリア州は13.3%と、この3州についてはまだ落ち着いてきたとは言い難い数字のようです。
本日のイタリアの主なニュース・出来事
寒い日々が続いていましたが、本日のトスカーナ州の海辺は再び快晴。
再び小春日和になりました。
自宅待機中なので、私達夫婦は相変わらず軟禁生活です。
一昨日はTwitterで繋がっているイタリア在住のツイ友さんの中で、ご親戚(イタリア人)がコロナウィルス で亡くなったという方がいらっしゃいました。
感染経路も分からず、初期の診察では「軽症」と判断されながら、僅か一週間で容体が一気に急変、お亡くなりになったとのことです。
私の夫側の親族はほとんどが南イタリア、プーリアにおり、まだ感染したという話は入ってきていませんが、イタリア在住日本人の中からこうした話を聞くのはショックです。
日本の家族との温度差による軋轢
オリンピック開催が延期となった途端、東京を始めとして日本でも感染者数の増加が騒がれ始めてきました。
東京や神奈川なども外出の自粛要請が出、私の家族も自宅待機をしているようでしたが、その意識もどちらかというと「うざったい」とか「コロナウィルスより買い占め客の方が怖い」といった程度。
先週も兄一家と私の両親が一緒に火鍋を食べてきたという一方を受けて戦慄していた私は、ついに感情が高ぶり、
「イタリアでは子供が不用意に親に会いに行って死んでいるケースが沢山発生しているのに!」
と言ってしまい、
「日本は世界に比べて感染者が全然少ないのに大袈裟」
という反応をされたので
「メディアで出されている情報を全て信じるのは危ない」
と反論した所、気を悪くした兄夫婦や母との間に溝が生まれてしまいました。
母からは
「9000名も死者を出しているイタリアよりも日本の政治を批判するのか」
とも。
そんなことを言いたい訳ではなかったのに。
結局は私が神経質に情報を集め過ぎでヒステリックになっていると思われたようで、家族それぞれから「こっちだってちゃんとニュースは見ている。そっちもあまり何でもかんでも信じるな」と言われて終了。
コロナウィルスについて世界の情勢を見ているなら、皆で火鍋を突っつきに行くなど言語道断、という感覚になっているはずなのに。
私はただ「家族と言えど、収束するまで会わない方が良い」という一言を返して欲しかっただけだったのですが。
とはいえ、もう私が何を言ってもうざったがれるだけと理解し、もう家族とこの話題を話すことはやめることにしました。
ただ、これまで落ち着いていたように見えた日本も、対岸の火事ではなくなってきているという意識を持ち、篭れる人は可能な限り篭ることが他の誰かの命を救うのだという意識を持って欲しいと願う今日この頃です。
パレルモ市内のスーパーに困窮する市民が殺到
これだけ封鎖が続くと、経済への影響は著しく、特にバーやレストランなどの個人商店を営むオーナー達は完全に無収入となっています。
南イタリア、シチリアのパレルモ市内のスーパー、Lidl(リドル)には困窮した市民が殺到し、カート一杯に品物を入れたまま、支払いを拒否する市民が続出。
「食べるための金が無いんだ!」
と叫び、警察が出動する事態となったようです。

これからイタリア各地でこうした事態が発生することが懸念されています。
私達の住む街のスーパーの入り口にも、こうした困窮した市民への寄付金を募る箱が置かれているようなので、私達も次の買い物の際には寄付をしよう、と夫と話している所です。
イタリア政府も一人あたり月600ユーロを支給する方針のようなので、早く困窮している人達の元に届いて欲しいと思います。
一日も早く元の生活が戻ってくることを祈って。
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