イタリア、新型コロナウィルス(Covid-19)感染状況レポート【2020年4月2日(水)、4月3日(木) 18:00時点】
コロナウィルス(Covid-19)の感染状況【2020/4/1(水)、4/2(木)18:00時点】
※前回(3/29, 30)のレポートはこちら↓

※最新のコロナウィルスの情報ページはこちら↓

待ちわびていたこのニュース。
3/31、イタリア高等衛生研究所(ISS)は、正式に「イタリアはピークに達した」と発表しました!

日本語のニュースでも報じられています。
イタリア全体の感染者数
イタリア政府の公式発表による感染拡大状況は以下の通りです。
【2020/4/2(水)18:00時点】
【2020/4/3(木)18:00時点】
- 感染者数サマリ(カッコ内は前日からの増加数と増加率)
- 累計感染者数:115,242(+4,668 +4.2%)→119,827(+4,585 +4.0%)
- 死亡者:13,915 (+760, +5.8%)→14,681(+766, +5.5%)
- 治癒者:18,278(+1,431, +8.5%)→19,758(+1,480, +8.1%)
- 現在の陽性反応者:83,049(+2,477, +3.07%)→85,388(+2,339, 2.8%)
- 日次の陽性反応者の内訳
- 無症状・軽症(自宅隔離):50,456(+2,322)→52,579(+2123)
- 症状有(入院):28,540(+137)→28,741(+201)
- 重症:4,053(+18)→4,068(+15, +0.4%)
各数字についてはこの後グラフで推移を見ながら解説していきます。
なお、上記の数字に表れていないものとして、「現在のトータルの入院患者」ですが、先ほどの18時のニュースでは減少に転じたと報じられていました。
新規感染者数、新規治癒者、新規死亡者数の推移
左から順に、①陽性感染者、②治癒者、③死亡者、④本日の新規感染者数(①+②+③)
※参考:Lab24 oreより
赤い線が、日次の新規の感染者数です。
新規感染者数は昨日4,668名、本日は4,585名。微減ですが、減少傾向です。
ISSの発表によれば、イタリアの感染がピークに達したということなので、予測されていた二度のピークは下記の2日だったと思われます。
- 一度目のピーク:3/21(新規感染者数6,551名)
- 二度目のピーク:3/26(新規感染者数6,153名)
日次検査数と陽性感染者の割合
※参考:Lab24 oreより
- 一昨日(4月1日)
- 検査数:34,455(+4,846)
- 陽性感染者数:4,782(+729)
- 検査数における陽性感染者の割合:13.9%
- 昨日(2日)
- 検査数:39,809(+5,354)
- 陽性感染者数:4,688(-92)
- 検査数における陽性感染者の割合:11.7%
- 本日(3日)
- 検査数:38,617(-1,192)
- 陽性感染者数:4,585(-103)
- 検査数における陽性感染者の割合:11.9%
昨日、本日は検査数が過去最大、4万件近くになりました。
検査数に占める陽性感染者数の割合はさらに低下し、11%台になりました。
感染者の増加率の推移
3/30より増加率は4%台をキープしています。
月初から見れば減少一途です。
累積死亡者数、新規死亡者数、増加率の推移
累積死亡者数。本日4/3は14,681名でした。
日次の死亡者数は3/27に969名と、1000名近くに達しましたが、現在も引き続き700名台となっています。
死亡者数の増加率は、直近では5%台となっています。
3月頭からは減少傾向です。
重症患者(ICU)数の累積、日次、増加率の推移
重傷者数についても推移を追うことにしました。
まずは累積。ご覧の通り、ICU入りしている重症感染者の数は、3/31からほぼ横ばいの状態です。
日次の新規重症患者数は、一時期200名近く発生していましたが、ここ3日間では10数名程度にまで減少しました!
増加率で見ると、ほぼゼロに近い状態と言えます。
累積感染者数、治癒者、死亡者数の推移(累積)
左から順に、累積の陽性感染者、治癒者、死亡者、累積感染者
※参考:Lab24 oreより
以上の状況を反映した累積のグラフです。
累積感染者数、現状の陽性感染者数、共に増加の仕方が緩やかになっているのが分かります。
イタリア各州の感染状況
州別の感染状況
※ilmeteo.itより
左から順に、(陽性感染者中)有症入院患者、(陽性感染者中)重症患者、(陽性感染者中)自宅隔離、現在の合計陽性感染者、治癒者、死亡者、累計感染者、検査数。
【4/2(木)】
【4/3(金)】※Corriere Della Seraより
州別の累積感染者数の比較グラフ
第1群(ロンバルディア州、他4州)
ロンバルディア州、エミリア・ロマーニャ州、ヴェネト州、ピエモンテ州、マルケ州
ロンバルディア州(青い線)の累積感染者数は47,520名。
ロンバルディア州については、新規感染者数はやや増減を繰り返しています。ミラノで感染者数が増加しているようです…(ミラノの感染者数は、これまで最多だったベルガモを超えました)
1群の全体の増加率は、ピエモンテ州を除き3%台まで落ちて来ています。
ピエモンテ州のみ、5.2%と、未だ5%台です。
第2群(トスカーナ州、他3州)
トスカーナ州、リグーリア州、ラツィオ州、カンパニア州のグラフです。
トスカーナ州の累積感染者数は昨日5,000名を突破し、5,499名となりました。
2群の増加率についても、カンパニア州を除き、4%台に落ちています。
カンパニア州の増加率は、昨日盛り返し、4/2が10.1%、本日9.0%と、やや高くなっています。
第3群(プーリア州、他5州)
フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州、トレント特別自治州、プーリア州、ボルツァーノ自治県、アブルッツォ州、シチリア州
南部を含む3群。
2州ずつ値がくっついて来てグラフがやや見にくくてすみません汗
プーリア州とトレント特別自治州が昨日2,000名を突破し、プーリア州は本日2,182名、トレントは2,109名でした。
3群の増加率も、5%前後まで落ちて来ました。
増加の勢いが激しかったシチリア州は3.8%と、3%台まで落ちています。
第4群(ウンブリア州、他5州)
ウンブリア州、サルデーニャ州、ヴァッレ・ダオスタ自治州、カラブリア州、バジリカータ州、モリーゼ州
増加率10%以上の勢いを保っていた4群は、ウンブリア州とサルデーニャ州は4%前後、その他の州については7%前後まで落ち着いて来ました。
州別の重症患者、入院患者、自宅隔離者
【4/2(木)】
【4/3(金)】
先述の通り、イタリア全土でのコロナウィルスの入院患者数は減少に転じたとのことで、今後医療従事者の方々の負担が軽減していくことを祈るばかりです。
世界のコロナウィルスの感染状況とイタリア
こちら新コーナーです。これまで世界の中でも最も酷い状況だったイタリアですが、他の国々もイタリアと同様の状況になって来ています。
ドイツがほぼイタリアをなぞるような形で感染者数が増加しています。
イタリアよりも深刻なのはアメリカとスペイン。
アメリカに至ってはグラフがほぼ垂直になっています。
感染者数については、アメリカがあっという間にイタリアを追い越し、24万人と、イタリアの2倍になってしまいました。
一方スペインは一日に900人以上の死者を出し、イタリアに迫る勢いになっています…
本日のイタリアの主なニュース・出来事
本日の私達の様子
昨日・本日のトスカーナ州は快晴。気温は少し低めです。
引き篭もり生活が続き、やや曜日感覚を失いつつあります…
私は妊娠後期を迎え、日に日に体が重くなり、家の中ですら歩くのが億劫になって来ました。
本来であれば中期の間に揃えておきたかったベビー用品も、何一つ揃えられていません。
日に日に焦りを募らせながら、固唾を飲んでイタリアの状況を見守っています。
本日のイタリアの主なニュース
首相令の発令。イタリアの封鎖措置は4月13日(月)まで延長
イタリアの全土封鎖は当初4月3日までとされていましたが、コンテ首相は4月1日深夜の首相令で、封鎖措置をイースター明けの4月13日まで延長する、と発表しました。
元首相やジャーナリストなどから、「もう限界だ!いい加減封鎖を緩和しろ!」と糾弾されていましたが、コンテ首相は「冗談ではない。今封鎖を緩めれば、これまでの苦労が水の泡だ!」と、断固として封鎖を守る姿勢を崩しませんでした。
いや〜…格好良かった…!
これまでに出された首相令は以下の通り。
- 3月8日首相令: ロンバルディア州及び北部14県における人の移動を禁止
- 3月9日首相令: 8日首相令の移動禁止規定を伊全土に拡大
- 3月11日首相令: 必要最低限の生産活動を除く生産活動禁止
- 3月22日首相令: 一部例外を除く全面的な生産活動禁止
- 3月20日保健省命令:
公園等へのアクセス禁止,運動は自宅周辺で単独で行い,他人との対人距離を保つ場合のみ可能,駅やガソリンスタンドの売店閉店等 - 3月28日保健省・インフラ運輸省命令:
外国から伊に入国する者は地方保健当局へ通報し,14日間自己隔離を行う
ピークを迎え、今後感染者の減少に転じるイタリア。封鎖の重要性。
専門家によると、感染の増加が減速し、今後感染者は減少に転じるものの、それまでには少なくとも1-2週を要するとしています。それまで社会的距離を保ち続けることの重要性が繰り返し訴えられています。
高等衛生研究所(ISS)のブルサフェッロ所長によれば、感染の勢いの減速は確かなものになり、現行の厳しい封鎖措置の有効性を説きました。
また、疫学者のレッツィ氏によれば、もしイタリアがこの全土封鎖措置を取らず、集団免疫手法を取っていたなら、より多くの犠牲者を出していただろうと説きます。
全土封鎖を行わなかった場合、特に南イタリアの多くの街がコドーニョ(北イタリアで多数の感染者を出した町)と化していただろうと語りました。
コロナウィルス 「フェーズ2」の可能性。封鎖は最大5月16日まで延長も。
イタリア民間防災大臣で新型コロナウイルス感染症報道官のアンジェロ・ボレリ氏は、この後に訪れる可能性のあるコロナウィルス の次の波、「フェーズ2」について言及しました。
このまま注意深く推移を追う必要があるが、場合によっては封鎖措置を5月16日まで延長する可能性も有り得ると述べました。
新たに5名の医師が犠牲に…
院内感染が起きているイタリア。
新たに5名の医師がコロナウィルスにより命を落とし、これまでに73名もの医師がコロナウィルスによって命を奪われました。
ピークが訪れたイタリア。これからはゆっくりと減少傾向に転じるということで、一筋の光を感じています。
一日も早く、世界中からコロナウィルスが殲滅される日が訪れますように。
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