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Luiの徒然日記

イタリアの夫婦は同じベッドが当たり前 – 別室は離婚へのカウントダウン?

イタリアの夫婦は同じベッドが当たり前 Luiの徒然日記

イタリアの夫婦は同じベッドが当たり前 – 別室は離婚へのカウントダウン?

さて、今日は久しぶりに私達夫婦のことを書いてみようと思う。

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夫婦同室、ダブルベッドが当たり前のイタリア

ダブルベッド=夫婦(恋人)ベッド?

イタリアのモールへ寝具を買いに行った際、面白いことに気が付いた。

ダブルベッドのサイズのシーツの名前が「ダブル」とか「クイーン」とかではなく、”matrimoniali”(夫婦の、恋人の、の意)と書いてあるのだ。

つまりダブルベッド=夫婦(恋人)のベッドというわけだ。

(日本のダブルベッドだとかなり小さいイメージだが、私の体感ではイタリアのダブルベッドは日本のクイーンサイズ程度の大きさなので、さほど窮屈感は無い。)

まあ、というくらい、イタリアでは夫婦同室、同じベッドで寝ることが当たり前というわけだ。

夫の両親、親戚夫婦、友人夫婦、同僚夫婦…若いカップルから熟年カップルまで、夫婦別室など聞いたことがない。

無論、私の夫も仲良く一緒に寝ることを当たり前だと思っている。

私も両親が今でも夫婦同室、同じベッドで寝ているので、この辺はあまり抵抗は無かった。

淡白化している日本人カップルに驚きを隠せないイタリア夫

一方、私の周りの日本人夫婦は、同室でも布団やベッドを分けていたり、新婚当初から別室、なんていうカップルもいる。

理由は「隣に誰かいると安眠できない」、「生活時間が異なる」などなど。

これには夫が驚愕し、「それでどうやって子供を作るんだろう…?」と呟いていた。

夫は、夫婦別室は離婚へのカウントダウンと考えているようである。

私達夫婦に訪れたちょっとした危機

私も基本的に夫婦は同室、同じベッドで寝るものだという考えである。

しかし、例えば大げんかした時、相手が酔っ払って大いびきをかいている時などは別室で寝るのも止むを得ないと思っていた。

ここが夫と大きく考えが異なる点だった。

夫はとしては「一晩でも別々に寝れば夫婦関係は崩壊する」と考えていたのだ。

この部分で、何度か私達夫婦に危機が訪れたことがある。

リビングのソファで寝ようとした私

これはまだ日本で暮らしていた時の話だが、ある夜、本当にくだらないことで喧嘩した。

夫と同居したての頃で、生活習慣や価値観の相違など、まだ分かり合えない部分が沢山あった頃だった。

夫も私も、お互いを理解しようと務める段階の中で、しばしば意図せず相手を傷つけてしまう言葉が出てしまうこともあった。

そしてこの晩も、夫がほんの嫌味のつもりで言った言葉が深く私の胸をえぐった。

夫としてはそこまで私が傷つくと思っていなかったようで、その理解してくれない点についてもさらに私は失望した。

そしてその晩は夫と一緒に寝たくないと思った。

夫が寝室に入っていくのを見届けると、リビングのソファベッドに枕を置き、そこに横になった。

何となく罪悪感は感じつつも、私なりの夫への抗議のつもりだった。

すると、ほどなくして夫が寝室から飛び出してきた。

「何バカなことをやっているんだ?」

かなり怒っている様子。

迎えに来てくれたことに少し嬉しさを感じつつも、先ほど夫が言った言葉への抗議も示すために

「今夜は一緒に寝たくなかった。」

と答えた。

すると夫はびっくりするほど猛烈に怒り出した。

「こんな早い段階でもう関係の終わりが見えてくるなんて!別々に寝るってどいうことか分かってる?別れへの第一歩だ!それが分かっててやっているのか!?」

リビングで寝ただけでここまですごい剣幕で怒られるとは想像もつかなかった私は呆気に取られてしまった。

ちょっと大げさなんじゃないか…?

私が固まっている間に、夫は

「国際カップルはやっぱり難しいのかもな!そこで寝たければ好きにしたらいいけど、今後何が起こるか分からないぞ!」

と言いながら寝室へ戻って行き、バタンと扉を閉めた。

何だかよく分からないが、とりあえずこのまま別々に寝るのは良くない気がしてき、冷静な話し合いをするためにも私の方が折れて寝室に戻ることにした。

寝室へ戻って夫に話しかけると、しばらくは「そんなに別で寝たければ向こうで寝れば?」なんて言っていたが、やがてこちらを振り向き、「おいで」と言って腕枕をしてきた。

ようやく落ち着いたのを見計らい、先ほど夫が言った言葉が私を傷つけたことは事実だと冷静に伝えた。

すると、「ごめん、そんなに傷つくとは思わなかった。二度と言わないよ。」と優しく言ってきた。

その後の熱烈な仲直りについてはご想像にお任せするw

イタリアでは、どんな激しい喧嘩の後も夫婦は一緒に寝る

夫曰く、どんなに酷い喧嘩をした時でも、夫婦が一緒に寝ることはとても大事だと言う。

一緒に寝てお互いの温もりを感じることで、冷静になり、意地を張り合っていた部分も解け、お互い素直に話し合えるようになる。

夫婦が毎晩一緒に寝ることで、もつれ合ってしまった糸をほどき、また翌朝からは仲良し夫婦として1日を始めることができるのだと。

これが、別々に寝てしまうと、そのもつれはリセットされることもなくどんどん酷くなっていき、やがて修復不可能になってしまうのだと。

この夜、私は身を以てこのイタリア式の夫婦仲良し法を実感したのだった。

「夫婦同室、同じベッド」の大敵。それはいびき。

夫は背が高いし、体格も良いのだが、普段寝る時はとても静かである。

クゥクゥと寝息をたてて寝る姿があまりにカワイイので、たまにじーっと眺めてしまうこともある。

しかし、イタリアに来てから出張が多くなった夫。

特に2週間半〜3週間の長期出張が入ることがあるが、前回、その長期出張から帰って来た際はかなり疲労困憊していた。

そして夜。

その疲れのせいか、今までかいたこともない爆音でいびきをかきはじめたのだ。

これまで聞いたことのないような爆音に、私は驚いた。

私はかなり音に敏感なので、とてもじゃないが寝られなかった。

夫が体勢を変えていびきが収まるタイミングを見計らって寝ようとしたが、一向に収まる気配は無かった。

結局、明け方まで寝付くことができなかった。

そんな日が2日続き、いよいよ私も睡眠不足になって来てしまった。

そして3日目。

この日も疲れが取れないのか。やはり爆音のいびき。

途方に暮れながら爆睡する夫を眺めた。

私もそろそろちゃんと睡眠を取りたい…

止むを得ず、自分の寝具を持ってゲストルームへ。

そこで寝ようと思ったが、朝起きで隣に私がいなかったら、また前回のように怒るだろうと思い、別室で寝ることを夫に伝えに言った。

夫を起こし、

「あまりにもいびきが大き過ぎて寝られないから、今日はゲストルームで寝るね」

と伝えた。

すると、

「何で君が出て行かなきゃいけないんだ。ゲストルームは暖房を切ってて寒いから俺が行く」

と言い、やや不機嫌そうに出て行ってしまった。

夫がいなくなり、静けさを取り戻した部屋に残った私は、やっと静かな空間を手に入れることができたにも関わらず、全く寝付ける気がしなかった。

夫がいない寝室が、何だか恐ろしい空間のように思えてきた。

いびきが治らなければ、一生こうして別々に寝続けるのだろうか…?

いつもは夫の温もりに包まれて寝ていたのが急に寒々しく感じ始め、心臓がドキドキして、いびきの音以上に寝られなくなってしまった。

(このまま寝てはいけない気がする)

そしてゲストルームに行った夫を迎えに行くことにした。

夫は、自分のいびきが原因だったとはいえ、私から別室で寝ることを提案されたことがややショックだったようで、呼びに行ってもしばらくはふてくされていた。

でも私が掛け布団と枕を強引に取り上げて寝室に運んで行くと、

「君は何がしたいんだ…」

とブツブツ言いつつもついてきた。

「別々だと余計に寝られない」

と私が言うと、

「俺がいびきをかき始めたら、殴っていいから起こして。体勢を変えればかかないかもしれないし。」

と言ってくれた。

そして「これが一番効くかも」と言い、枕に顔を突っ伏した形で寝始めた。

相当気を付けてくれたのか、その晩から、夫はまたいびきをかくことはなくなった。

やはりあの晩、夫を迎えに行っておいて良かったなと今でも思う。

いびきをかかないように相当な努力をしつつも、夫婦一緒に寝ることを大事にしてくれる夫の気持ちを嬉しく思う。

「一晩でも別々に寝ることは崩壊の始まり」と言っていた夫の言葉が、今では何となく理解できる気がする。

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