イタリア全土のロックダウンが5月3日に延長された中、昨日4/12はイタリアでクリスマスと並んで大切な日、PASQUA(パスクワ)だった。
通常は家族親戚で集まって盛大に祝うらしいのだが、厳戒態勢が引かれた昨日は親戚の集まりも許されず、それぞれの家でひっそりと過ごす家庭が多かったようだ。
復活祭、PASQUA(パスクワ)とは
日本にいた頃も私の周りには割とキリスト教が多かったことや、私自身もキリスト教の高校に通っていたこともあり、私も一応イースター(復活祭)とは何ぞや、という程度のことは知っていた。
とはいえ、日本では夫と出会うまでイースターなど特に意識することなく普通の日曜日と同じように過ごしていた。
しかしイタリアに移住した今となって周りの空気が全く違う。
イタリア人達は実に2ヶ月前からパスクワ(復活祭)を意識し始めるようだ。
まず。復活祭=イースター=パスクワとは。
一言で言えば、イエス・キリストが復活を遂げた日のことである。
十字架に架けられたイエス・キリストは金曜日に命を落としたが、その三日後の日曜日に復活して悲しみに暮れる弟子達の前に姿を現したという。
この日曜日が復活の日、英語ではイースター、イタリア語ではパスクワである。
パスクワの日は「何日」と決まっておらず、「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」なので、毎年変わる。
2月に紹介したイタリアのカーニバルの開始時期も、このイースターの日を起点として決められる。
クリスマスはイエス・キリスト誕生の日。
パスクワはこのイエス・キリストの復活の日。
どちらも敬虔なクリスチャンが多いイタリアにとって大事な日なのである。
厳戒態勢下でのパスクワ
私にとっては昨日がイタリアで体験する初めてのパスクワだった。
しかし、通常ならば家族親戚の大人数で集まり、盛大にお祝いするというこのパスクワ。
通常であれば、翌日の月曜日もPasquetta(パスクエッタ)という祝日となるため、実家へ帰ったり、バケーションのためにセカンドハウスで過ごす人々も多いらしい。
私達が住むトスカーナ州のビーチエリアにはミラノの富裕層のセカンドハウスも多い。
しかし昨日は私達の自治体が、そうしたミラノ民がバケーションで訪れようとするのを阻止するためにヘリコプターまで動員し、厳戒態勢を敷いていた。
昨日は朝から「集まらないように、家にいて下さい」と呼びかけるカラビニエリ(警察)車両や上空を巡回するヘリの音で物々しいものがあった。
それでも、罰金を払ってでもセカンドハウスへ強行突破した人達がいると言うから呆れてしまう。
イタリアのイースター(パスクワ)に欠かせないお菓子
入場規制が敷かれて買い出しも一苦労の中、夫がパスクワに欠かせない二つのお菓子を買って来てくれた。
COLOMBA DI PASQUA(コロンバ・ディ・パスクワ)
まず欠かせないのが、このColomba(コロンバ)というケーキ。
↑通常は中にオレンジピールなどの砂糖漬けのフルーツが入っているが、私があまり好きではないため、夫は”Senza Canditi(果物無し)”を買って来てくれたようだ(笑)。
Colomba=鳩の意味で、コロンバはこのように鳩が羽ばたく形をしている。
鳩は平和の象徴。
クリスマスに食べるパネットーネ(panettone)と同じような味のフワフワのケーキだが、上にサクサクのメレンゲとアーモンドが乗っていて、とても美味しい。
他にもチョコレートでコーティングされたものなど色々バリエーションがあるようだが、私はこのメレンゲが乗ったフルーツ無しのバージョンがとても気に入ってしまった!
卵型のチョコレート
もう一つ、イタリアのパスクワに欠かせないのがこの卵型のチョコレート。
卵は、「復活する命」の象徴。
夫が買って来てくれたこれは大人用で、人の頭と同じくらいのサイズがある。
↑何だか神々しいw
中は空洞になっていて、ソルプレーザ (Sorpreza)というサプライズプレゼントが入っている。
↑私が今年もらったチョコのソルプレーザはキーホルダーだった。ちなみに昨年はブレスレット。
子供用の卵チョコには、組み立てておもちゃになるものなどがあり、大抵の子供達は周りのチョコよりも中のおもちゃに夢中になることが多いらしい。(私の日本の甥っ子は周りのチョコもペロリと平らげてしまったが…)
パスクワのランチはレストランからのデリバリーで
パスクワは、クリスマス当日と同様にディナーよりもランチが大事なようだ。
通常は親戚一同が集まってご馳走を頬張る。
私達は、こんな厳戒態勢下でも少しでもパスクワらしい一日にしたいよね、ということで、私達は地元のレストランからパスクワの特別メニューをデリバリーで頼むことにした。
デリバリーの注文は、夫が前もって電話で予約してくれた。
当日はお願いしていた12時半ぴったりに届けてくれた。
インターホンが鳴ると、マスクを装着した夫がマンションのエントランスまで取りに行く。
届けてくれた包みを丁寧にアルコール消毒しながら開けてみると、中には↓こんな感じで真空パックに入った料理が入っていた。
これを自分達で温め直して食べる。(今の状況では、家で温め直せるようにしてくれるのは有難い)
蒸し器を用意し、真空パックに入ったものは下段で茹で、アルミの容器に入ったものはその上で蒸して温めた。
盛り付けをし、並べてみるとこんな感じに。
夫も私もここ一ヶ月は家着で過ごしていたのだが、せっかくだから外食気分を味わいたいよね、ということで、二人とも久しぶりに正装で。
私は二ヶ月ぶりくらいにメイクをした(笑)。
バックミュージックにクラシック(モーツァルト)なんかもかけて、気分はすっかりレストラン。
夫が奮発して買ったというシャンパンで乾杯。
私はほんの一口だけ味見。久しぶりのシャンパンの味!美味しかった…涙
この日のパスクワランチのメニューは…
Tordelli(トルデッリ)。
トスカーナ州の中でも、私達が暮らす海辺エリア、ヴェルシリア地方の郷土料理で、中身はチーズや挽き肉、ソースはボロネーゼ。
パスタはハンドメイドだったようで、とても美味しかった!
ラビオリとの違いを述べろと言われてしまうと…よく分からない汗
↑Branzino(ブランジーノ:ヨーロッパシーバス)のムニエルとアーティーチョークのグリル。
ブランジーノはスズキの仲間だそうで、私が住むエリアではかなり馴染み深い魚。
味はほぼスズキと変わらず、サッパリとしてどんな料理にも合うので、私達も毎週のように買っている。
↑ナスのパルミジャーナとローストビーフ、ラム肉のグリル。
私が妊娠中のため、ローストビーフはウェルダンになるまで火を通さざるを得なかったのが残念。。
ラム肉のグリルは見た目とは違いとても柔らかく仕上げられていて美味しかった!
デザートはティラミス。(夫が淹れてくれたエスプレッソと併せて)
このティラミスも大変美味しかった!
以上が今年の私達のパスクワランチ。
これだけの種類を自分達で用意するのは大変なので、レストランにデリバリーしてもらって正解だったと思う。(お値段もデリバリーを含めて2人分で47ユーロと、質に対して決して高くない)
多分、イタリアらしからぬ異例のパスクワだったのだと思うけれど、夫と二人、家でレストラン気分で過ごすひと時もそんなに悪くはなかった。
コロナウィルスとの戦いがいつまで長引くのか…ひょっとしたら来年までの長期戦になっているのかもしれない…
でも、来年はチビも増えることだし、イタリアらしいパスクワを過ごせることを心から祈っている。
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