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育児

イタリアの保育園ってどうよ?実際に入れてみての感想と長所・短所【海外保育園事情】

eyecatch_イタリアの保育園ってどうよ? 育児

先々週までの夏の陽気はどこへやら、イタリアは先週末から突然冬が訪れ我が家もついに朝晩はヒーターをつけるようになりました。

さて、前回の記事ではイタリアの保育園の入り方や支援制度などについて紹介しました。

今回は実際に保育園に入れてみての感想をお伝えします。

※あくまで私の主観であること、イタリアの保育園といっても地域や運営団体によって千差万別であることをご留意ください。

 

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保育園の見学と事前面接

海外の保育園

私たちは6月に今の街に引っ越して来たので、公立の保育園の申込期間は過ぎてしまっていた。

狙っていた私立保育園にまだ空きがあるか尋ねてみると、定員20名のところまだ17名なので大丈夫とのこと。

夫の仕事の昼休みを使って早速見学しに行ってみた。

 

保育園の見学と申し込み(7月頭)

7月初め、私達は2歳になった息子を連れて保育園を訪れた。

保育園は教会と学校と高い塀に囲われた敷地内にあり、セキュリティはしっかりしているなという印象。

保育園は7月〜8月は夏休みのため、園児達の姿は無く園庭の遊具も隅に寄せられて閑散としていた。

園児達のいない薄暗い部屋の中で、園児用の小さな低い椅子に座って保育士さんから説明を受ける。

園の方針やルールなどの説明を一通り受けた後は部屋の中を案内してくれた。

子供達が遊ぶメインの部屋の横にオムツ替え用の小さなスペース、奥には厨房があり、ランチは調理師さんが来て厨房で作ってくれるそうだ。

これだけ設備が整っていれば安心して預けられるように感じた。

保育士さんも子供達一人一人の成長に合わせて自由な学びの場を提供したいという方針で、夫も私も大変気に入ったのですぐに申し込みをした。

申し込みは保育園の事務局に電話一本。

必要書類がメールで送られてくるので、後日それを持ってくるようにとのことだった。

今年の新学期の開始は9月5日(月)。

とりあえず息子を保育園に入れられることになり、ホッとした。

 

入園前の個別面談(9月頭)

夏休みを経て9月2日(金)。

入園日の直前に保育士さんとの個別面談があった。

夫の仕事の昼休みの時間をやりくりして指定された時間に行ったものの、結局30分も待たされた。

前の子の保護者達が出てくると私たちが呼ばれて園の中に入る。

この時は来週から始まる慣らし保育のスケジュールや持ち物、園の規則などの説明を受けた。

持ち物は週末に慌てて買いに走った。

 

イタリアの保育園、意外と規則が厳しい!?

規則の看板

園の規則を確認してみると割と厳しいことが書いてあり、少し意外だったので驚いた。

お昼寝しない子は預かれない

まず、午後にお昼寝しない子は預かれないと書いてあった。

息子は必ずお昼寝はするものの、たまに16時まで寝ないこともあるので少し不安になった。

こればかりは親にはコントロールしきれないので、こんなことをいう園もあるのかと少し驚いた。

 

16時を過ぎたら安全の保証はできない

次に少し驚いたのは、

「お迎えは15時45分に来ること。遅くても16時。それ以降はお子様の安全の保証が出来かねます。」

とはっきり書かれていたことだ。

これは保険が効くのが16時までだからということだが、これだけはっきり書かれていると少し面食らってしまう。

日本では仕事の都合でお迎え時間を過ぎてしまったなんていう話はよく耳にするが、この園では許されないようだ。

もちろん保育士さん達の勤務時間を考えれば健全なことなのだろうけれども。

 

保護者は送迎時に長話をしない

送迎は一人ずつ順番に行うので、例えば一人の保護者が保育士さんに対して長話をしてしまうと、園の前にずらりと列ができてしまうことになる。

自分の子供の様子はどうだったか、家庭ではこうなんだけど…などをあれこれ話したがる話好きのママに対してと思われる。

わざわざ規則書に書かれているということは、きっと過去に相当べらべら話すママ達がいて保育士さんがゲンナリしたのだろうと想像してしまった(笑)。

 

いざ入園!前途多難の慣らし保育

泣いている女の子

9月5日。まだまだ日中は夏の暑さが残る中でいよいよ慣らし保育が始まった。

時短の慣らし保育期間は2週間だったが、その後も子供が泣き止まなければすぐにお迎えに行かなければならず、息子が慣れるまでに結局1ヶ月以上かかってしまった。

 

1週目前半(月〜水)。順…調?

まず初日から3日間は9:30〜11:30の2時間のみ。

特に初日は保護者が同伴で、幼児の様子を見て短時間なら抜け出しても良いということだった。

この初日は登園してみると皆園庭に集まっていた。

全ての保護者やその兄弟達も集まっていたので、それはもう凄い騒ぎになっていた。

とてもではないが3人の保育士さんの目が行き届く感じではなかったので、基本的には親が自分の子供を見る形になった。

イタリア人のママ同士は世間話に花を咲かせていたようだが、そんな語学力を持ち合わせていない私は2時間の間ひたすら蚊と格闘しながら息子を眺めていた。

そんな私とは対照的に息子は園庭のおもちゃで夢中で遊んでおり、他の子が帰り始めても帰るのを嫌がる始末。

こうして初日は息子はニッコニコ、私にとっては蚊の餌食となる過酷な2時間となった。

残りの2日は息子を園庭に放って私は一旦家に帰ってみたのだが、2時間の間息子は園庭の遊具で遊ぶのに夢中で両親がいなくても全く気にする気配はなかった。

他の子はマンマが恋しくて迎えにくると泣いて抱きついている中、私はもっと遊びたいと大マグロのようにビッチビッチ暴れる息子を抱えて帰る羽目になった。

このように最初の3日間は慣らし保育なんて必要ないんじゃないかと思われた。

 

1週目後半(木〜金)。雲行きが怪しくなる。

翌日からは少し預け時間が長くなり、8:30〜12:00の3時間半となった。

時間が少し長くなったことで遊具への興奮が冷めたのか、この日は迎えに行ったら初めて顔をくしゃくしゃにして泣いて駆け寄って来た。

…おお、可愛い息子よ!

私も泣きそうになり、この時はちょっと嬉しかったりもしたかったのだがこの後の登園がどんどん大変になっていった。

この翌日の金曜は保育園に到着した時点で嫌がって泣き始め、保育士さんに預けて去ろうとしたら大泣きして追いかけてきた。

保育士さんに「少しいてあげて下さい」と言われ、仕方なく夫が柵の中に入る。

保育士さんからは「バイバイは言わないで下さい」と言われる。

見ると他のママは子供が何かのおもちゃに気を取られた瞬間にスッとベランダから消えていた

息子が車のおもちゃに夢中になり始めた瞬間にベランダからスッと抜け出した。

時間になって迎えに行くと園児達は園庭で遊んでいたが、息子は園庭の出口でじっと私を待っていた。

私の姿が見えるなり号泣で抱きついて来て、慣らし保育の前途多難を予感させられた

 

2週目:お昼ご飯は園で食べるように

翌週の預かり時間は8:00〜13:00となり、お昼ご飯は園で食べて来てくれるようになった。

丁度この時に私の親が日本から会いに来てくれていたので、私も街を案内する時間ができてありがたかった。

しかし大変だったのが登園。

朝から保育園を嫌がり、着替えも拒否するようになってしまった。

夫と二人で泣き喚く息子を何とか抱えて保育園に連れて行き、息子の泣き声を聞きながら心を鬼にして保育園を去るというのは、全くもって心が折れそうであった。

 

3週目以降:蔓延する風邪…試練が多過ぎる慣らし保育

3週目からは8:00〜15:45と、保育園でお昼寝まで見てくれるようになった。

しかし週の初めに息子が早速風邪をもらってきて熱を出し、この週はお休みに。

せっかくの慣らし保育はリセットされてしまい、翌週やっと登園できたと思ったら今度は息子が泣き止まないと保育園から呼び出しがかかってしまった。

こうして、少し慣れて来たと思ったら風邪をもらって休み、また保育園グズリが始まるということを繰り返した。

結局すんなりと週に5日間保育園に行けるようになったのは本当にごく最近、10月の終わり頃だった。

 

イタリアの保育園に入れてみての感想

外国の保育園の内装

全くもって大変だった慣らし保育だが、ここで現時点で私が思ったこの保育園の長所と短所を挙げてみる。

 

長所(良い点)

まず好感が持てる点は、施設のセキュリティが万全であることと徹底して子供に寄り添う方針である点だ。

 

厳重なゲートで囲まれた敷地

保育園は教会と学校の建物に囲われた敷地内にあり、園庭もその中にある。

敷地内に入るにはカメラ付きインターホンを鳴らして中から厳重な自動開閉式ゲート開けてもらわなければならない。

敷地は塀で覆われているので、外からは簡単には園児達が遊ぶ姿を覗くことができない。

園の中もまた二重扉になっていて、エントランスと園児の遊ぶスペースの間にはまた木の柵が設けられている。

敷地内にある園庭も柵で囲われており、万が一園児が園庭から抜け出しても、外はさらに塀で囲われた敷地内のため勝手にどこか遠くに行ってしまう心配が無い。

 

預け・お迎えの際は必ず一人ずつ保育士さんと対面する。

規則書にも合った通り、子供を預ける際・お迎えに行く際は保護者は必ず一人ずつ園の中に入って保育士さんと対面する。

ここで保育士さんがその日に食べたもの、お昼寝時間、うんちをしたかなどを教えてくれる。

このことで保育士さんが子供一人一人をしっかり見てくれていると安心できる。

前に保護者がいる場合、次の保護者は外で待ち、エントランスがごちゃごちゃとカオスにならないルールになっているのが良い。

また、その日のアクティビティはエントランスの貼り紙で確認できるようになっている。

 

無連絡で9:15までに登園しなかった場合は警察に通報される

園に連絡を入れずに9:15までに登園させなかった場合は車の置き去りや虐待などの懸念から園から警察に通報されることになっている。

結構過激だなと思ったが、子供の身を最優先に考えるならばこれくらいしてくれて良いと思う。

日本では園児が送迎バスの中に取り残されて熱中症で死亡する事故が相次いだが、日本でもこうした制度が徹底されれば尊い命が失われることがなかったのにと思う。

 

厨房があり、給食は手作り

この園では食育に力を入れており、厨房で調理した出来立ての給食を出してくれる。

献立表も掲示してあるので、子供が今日はどんなものを食べたのか把握できるようになっている。

 

短所(悪い点)

ほとんどの点では現在の保育園に満足しているものの、悪い点というかやや困っている点がある。

それは、月に1〜2回のペースで保護者同伴のイベントがあるということだ。

農園体験や栗拾いなど、子供達が喜ぶイベントを主催してくれるのは良いのだが、全て親が現地まで連れて行き、ずっと付き添っていなければならない。

私は仕事を始める前の諸手続きや勉強で忙しく、そもそも免許が失効していて連れて行ってあげることもできない。

結局イベントの日は登園させることができず家で子供を見なければならない。

親同伴イベントの多さはこの園だけなのかもしれないが、この園は共働き夫婦向きではないということが分かった。

ミラノなどの都会の保育園ならもっと共働き夫婦に合った都会型保育園なのかもしれない。

しかしイタリアでも都会は待機児童が溢れているという日本と同じような問題がある。

結局私がフルタイム正社員としての就職を諦めざるを得ない形になったが、果たしてこんな優雅なイベントに付き合うことができる世帯がどれほどあるのか、気になるところである。

 

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