イタリアのクリスマスケーキといえばパネットーネ(panettone)とパンドーロ(pandoro)。最近では日本での知名度も上がってきたのではないだろうか。
私はパネットーネのドライフルーツが苦手で、夫と出会ってから6年間、クリスマスはずっとパンドーロ派だった。
しかし昨年2020年のクリスマス、試しにドライフルーツが入っていないパネットーネを試してみたところ、これがとても美味しかったのだ!
以来、パネットーネが市場から消え失せる1月上旬まで、パネットーネは我が家の朝食の定番になった。
そしてふと思った。
イタリアの有名どころのパネットーネは一通り食べておきたい!
パネットーネはイタリア中のバールで五万と作られているので一概にどれが最高とは言えないかもしれないが、この記事では誰もが納得できそうなパネットーネの有名店を5つ挙げてみようと思う。
Martesana(マルテザーナ)【ミラノ】 – 「パネットーネといえば…!」の名店

https://www.martesanamilano.com/shops-corners-2/
パネットーネ発祥の地であるミラノ。
そのミラノの「パネットーネ・ミラネーゼ」といえばMartesanaを思い浮かべる人も多いようだ。
Pasticceria Martesana Milano(パスティッチェリア・マルテザーナ・ミラノ)は、数多くのパスティッチェリアがひしめくミラノでも名店の一つといわれている。
マルテザーナのドルチェはイタリア版ミシュラン「GAMBERO ROSSO(ガンベロ・ロッソ)」で過去に数多くの賞を受賞してきた。
そして今年2020年はテレビでも放映されるパネットーネのコンクール”Artisti del Panettone 2020(パネットーネ職人2020)”でこの店の職人Vincenzo Santoro(ヴィンチェンツォ・サントロ)氏が優勝した。
“Classic Milanese Panettone” – Artists of Panettone 2020で優勝を果たしたパネットーネ

https://www.martesanamilano.com/prodotto/panettone-classico/
こちらがArtisti del Panettone 2020で優勝を果たしたClassic Milanese Panettone(クラシック・ミラネーゼ・パネットーネ)だ。
その材料はオレンジピールにレーズン、バターに蜂蜜、そしてパネットーネ酵母と、正に伝統のレシピが忠実に守られている。
マルテザーナのパネットーネに使われている酵母は、創業からほぼ半世紀の間、絶やすことなく継ぎ足して受け継がれているそうだ。
【オリジナル】マロングラッセのベネチアン・パネットーネ(Veneziana ai marron glacés)

https://www.martesanamilano.com/prodotto/veneziana-marron-glace/
Martesanaは伝統的なレシピを忠実に守ったクラシック・ミラネーゼ・パネットーネ以外にもオリジナルのパネットーネを作っている。
私が食べてみたいのがこのマロングラッセ入りのパネットーネ。栗が大好きな私にはたまらない。
クラシック・パネットーネよりもさらに高く膨らみ、上のカリカリ部分が何とも言えず美味しそうだ。
オンラインでも購入できるようだが、ミラノに行った際には是非クラシックとマロングラッセ、両方味わってみたい。
Piazza Sant’Agostino, 7, 20123 Milano MI
Tel: 02 66986634
Email: info@martesanamilano.com
E-shop: https://www.martesanamilano.com/categoria-prodotto/natale/
イジニオ・マッサーリ(Iginio Massari)【ミラノ】 – イタリアンドルチェの巨匠

https://www.iginiomassari.it/pages/iginio-massari-milano
前述のArtisti del Panettoneをはじめとし、数々の料理番組や大会で審査員として君臨しているのがイタリアンドルチェの巨匠として仰がれるIginio Massari(イジニオ・マッサーリ)。
国内外の数々のコンクールや賞を取り、今ではイタリア・ドルチェ界では不動の地位を獲得しているようだ。
そのイジニオ・マッサーリが開いたパスティッチェリアの1号店はブレシアにある。
しかし2018年3月にミラノにもパスティッチェリア”Iginio Massari(イジニオ・マッサーリ)”をオープンさせた。
Iginio Massari(イジニオ・マッサーリ)はドゥオモから徒歩3分の場所に位置する。
こうしてミラノでもイタリア随一のドルチェを楽しめるようになったからには、行ってみるしかない!
Panettone Tradizionale(伝統のパネットーネ) – イタリア随一の巨匠が作るパネットーネのお手本

https://www.iginiomassari.it/collections/lievitati/products/panettone-tradizionale
巨匠イジニオ・マッサーリが作る伝統のパネットーネがこちらのPanettone Tradizionale(パネットーネ・トラディッツィオナーレ)、伝統的なパネットーネだ。
公式ページの説明を抜粋すると
温度管理された中で62時間発酵させた柔らかな生地はバターとバニラの芳醇な香りが漂う。
生地の中にはオレンジピールとレーズンが完璧に均一に散りばめられている。
アーモンドの粉とゲーゼルナッツで作ったアマレットの絶妙のアイシングの上には生のアーモンドとグラニュー糖がまぶされ、さらにココアによってその美味しさが引き立てられている。
芳醇な香りと味と舌触りの完璧なバランスは、正に伝統とイノベーションが調和したパネットーネといえる。
このコメントを読んだだけでも口の中にふわふわに蕩けそうな生地の感覚を想像してしまう。
上のカリカリしたアイシングが大好きな私にはたまらない逸品だ!
【オリジナル】チョコレートのパネットーネ(Panettone al Cioccolato)

https://www.iginiomassari.it/collections/lievitati/products/panettone-al-cioccolato
私が食べてみたいイジニオ・マッサーリのオリジナルパネットーネはPanettone al Cioccolato(パネットーネ・アル・チョッコラート)、チョコレートのパネットーネだ。
中にはオレンジピールとクリーミーなダークチョコレートとミルクチョコレート。
上にはPanettone Tradizionaleと同様、アーモンドの粉とヘーゼルナッツで作られたココア風味のアイシングが乗っているようだ。
ダークチョコレートとミルクチョコレートがミックスされているという点が、きっと巨匠ならではのこだわりなのだろう。
チョコレートのパネットーネと聞くと子供向けをイメージしてしまうが、きっと巨匠のパネットーネは味わい深いものなのだろうと想像する。
Via Marconi 4, Angolo Piazza Diaz, Milano
Tel: 02 49696962
E-shop: https://www.iginiomassari.it/en/collections/lievitati
Biffi(ビッフィ)【ミラノ】 – パネットーネ発祥の店

https://www.biffipasticceria.it/
パネットーネ発祥の地ミラノで最も有名なパスティッチェリアのひとつが、1847年創業の「Pasticceria Biffi(パスティッチェリア・ビッフィ)」。
Biffiの創業者、パオロ・ビッフィはパネットーネを作り出した本人という説もあり、ローマ法王にパネットーネを献上した記録もある歴史ある老舗だ。
Panettone Tradizionale(伝統のパネットーネ) – ローマ法王に献上された伝説のパネットーネ

https://www.biffipasticceria.it/biffi-shoponline
パネットーネの始まりは1847年、時のローマ教皇だったピオ9世より大型の菓子を注文された菓子職人パオロ・ビッフィが献上した大きな焼き菓子だといわれている。
そのローマ法王に献上した当時のままのレシピで作られているというパスティッチェリア・ビッフィのパネットーネがこちらのPanettone Tradizionale(パネットーネ・トラディッツィオナーレ)、伝統のパネットーネ。
約160年間受け継がれてきた製法で作られた伝統のパネットーネは、工程に40時間要するという。
パネットーネを極めるためには、是非この原点のパネットーネを食べておかなくてはならないだろう。
C.so Magenta 87 20123 MILAN
Tel: +39 02 4800 6702
mail: info @ biffipasticceria.it
E-shop: https://www.biffipasticceria.it/biffi-shoponline
オンラインショップ「Biffi(ビッフィ)」のパネットーネ

https://www.biffishop.it/
日本でも手に入るビッフィのパネットーネは青い包みに赤いリボンが特徴的な、このオンラインショップ「Biffi Shop Milano 1852(ビッフィショップ・ミラノ)」のパネットーネ。
パスティッチェリア・ビッフィとの関係性は分からないが、商品のロゴが全く同じことから関係があることは間違いない。
1852年から受け継がれている酵母とゆっくりとした発酵による伝統的な製法で作られるこのビッフィのパネットーネは、驚くほどしっとりとして柔らかな生地なのだそう。
日本では渋谷ヒカリエ ShinQsや恵比寿三越などに入っているフェルミエというショップで買い求めることができるようだ。
Tiri (ティーリ)【アチェレンツァ】 – 近年の権威ある賞で軒並みトップ!

https://www.tiri1957.it/en/since-1957/
ここ数年間のイタリアで有名なパネットーネ賞で軒並み1位をキープしているベーカリーがTiri(ティーリ)だ。
Tiri(ティーリ)はバジリカータ州の人口僅か2,300人の小さな村、Acerenza(アチェレンツァ)に店を構えている。
1957年にこの小さな村で創業して以来3代続くこのベーカリーが、2014年以来イタリアの権威あるパネットーネの賞で首位を獲得し続けている。
Panettone Tradizionale(伝統のパネットーネ) – 2020年の権威ある賞を総ナメしたパネットーネ

https://www.gamberorosso.it/notizie/classifiche/i-migliori-panettoni-artigianali-del-2020/
これが2020年、イタリアで数々の権威ある賞で首位を取ったパネットーネ、Tiriの「PANETTONE TRADIZIONALE(パネットーネ・トラディッツィオナーレ):伝統のパネットーネ」だ。
<Tiriのパネットーネ・トラディッショナーレが1位を取った賞の例> ※下記以外にも多数
- Gambero Rosso(ガンベロ・ロッソ) – Best Artisan Panettone 2020(パティシエが作る最高のパネットーネ)
- Dissapore(ディッサポーレ) – Best Artisan Panettone 2020(パティシエが作る最高のパネットーネ)
※2015〜18年も連続1位
Gambero Rosso(ガンベロ・ロッソ)はイタリアの権威あるグルメメディアで、イタリア版ミシュランのようなものと考えると分かりやすい。
Dissapore(ディッサポーレ)はイタリアのグルメマガジン。
Tiriはこれらの賞で2020年に首位を獲得し、他にもPassione GourmetやHausbrandtなど、過去5年間で名だたるパネットーネ賞で1位を獲得している。
創業当初から継ぎ足し育てている特別な酵母を使い、捏ねと発酵だけで72時間という工程を要するTiriのこのパネットーネは「自分で作れるならどうぞ」とご丁寧にレシピまで公開されている。
ガンベロ・ロッソの評価文によると
舌の上で溶けるように柔らかくしっとりとした絹のような生地にバニラ・オレンジ・バター・蜂蜜・酵母の香りが鼻腔をくすぐる。
溢れんばかりに膨らんだ生地に官能的なまでに均一な気泡、満遍なく散りばめられたドライフルーツ…テイスター達から満場一致の賞賛をされたパネットーネ
と、大絶賛。
ここまで褒め称えられるパネットーネとは一体どれほど美味しいものなのだろうか?
【オリジナル】塩キャラメルのパネットーネ(PANETTONE CARAMELLO SALATO)

https://www.tiri1957.it/en/shop/the-panettone/salted-caramel-panettone/
私が真っ先に食べてみたいのが、この塩キャラメルのパネットーネ(PANETTONE CARAMELLO SALATO:パネットーネ・カラメッロ・サラート)だ。
塩キャラメル×パネットーネ!聞いただけでヨダレが止まらない!!
出来たてはさぞかし美味しいことだろう。
プーリアの夫の実家へ帰省する際に是非立ち寄ってみたい。
Via del Gallitello, 277/279 85100 Potenza
Tel: +39 0971.281487
E-Mail: info@tiri1957.it
オンラインショップ:https://www.tiri1957.it/
SAL DE RISO(サル・デ・リーゾ)【アマルフィ】 – 2019年の覇者

https://www.salderisoshop.com/
Salvatore De Riso(サルヴァトーレ・リーゾ)氏もイタリア菓子では有名な重鎮で、ローマ法王にドルチェを献上したこともあり、数々の賞に輝いてきた。
彼の本拠地がカンパーニア州アマルフィ海岸に面した小さな町、Minori(ミノーリ)にあるパスティッチェリアSal De Riso(サル・デ・リーゾ)だ。
Artisti del Panettone 2019では、今年2020年のチャンピオンVincenzo Santoro(ヴィンチェンツォ・サントロ)氏を押さえて優勝を果たした。
また、Dissapore(ディッサポーレ) – Best Artisan Panettone 2019でも1位を獲得。同賞は2015年からTiri (ティーリ)が優勝し続けて来たが、唯一、2019年だけはこのSal De Riso(サル・デ・リーゾ)が首位を奪い取った形となる。
CLASSIC MILANESE PANETTONE(ミラノ風クラシック・パネットーネ) – 2019年のベスト・パネットーネ

https://www.salderisoshop.com/en/panettone/10-51-panettone-classico-milanese.html#/26-weight-1000_gr
こちらが2019年にArtisti del Panettone 2019及びDissaporeで首位に輝いたSal De RisoのCLASSIC MILANESE PANETTONE(ミラノ風クラシックパネットーネ)だ。
中のフィリングは、オーストラリア産サルタナレーズン・オレンジピール・ディアマンテシトロン(カラブリア州コゼンツァ県産の柚子)・マンダリンオレンジとクレメンタイン(オレンジの一種)の砂糖漬け。
ミラノ風クラシックは伝統に沿い、上のカリッとしたアイシングは無い。
【オリジナル】リモンチェッロのパネットーネ(Panettone Limoncello)

https://www.salderiso.it/le-mie-creazioni/panettoni/limoncello/
私の心を鷲掴みにして離さないSal De Risoのオリジナル・パネットーネがこのPanettone Limoncello(パネットーネ・リモンチェッロ)、リモンチェッロのパネットーネだ。
アマルフィ海岸はレモンの名産地で、ここで採れる品種“Costa D’Amalfi(コスタ・ダマルフィ)”はI.G.P(保護指定地域表示)に認定されている。
そんな地元原産のレモンで作ったレモンのお酒、リモンチェッロををふんだんに使ったパネットーネがこれだ。
上のアイシングはリモンチェッロ風味のホワイトチョコ。
その作られる工程はFacebookで動画で楽しむことができ、これを見たら誰もが食べたくなってしまうこと間違い無しだ!
動画はこちら↓(Facebookのログインが必要です)
Sal De Riso Journal – Artisti del Panettone 2018
Via Roma, 80 – 84010 Minori, Costa di Amalfi
Tel: +39 089877941
まとめ
以上、この記事では以下の5店舗を紹介した。
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- Martesana(マルテザーナ)【ミラノ】
- イジニオ・マッサーリ(Iginio Massari)【ミラノ】
- Biffi(ビッフィ)【ミラノ】
- Tiri (ティーリ)【アチェレンツァ】
- SAL DE RISO(サル・デ・リーゾ)【アマルフィ
賞を取ったクラシック・パネットーネはもちろん、各店舗で用意しているオリジナルのパネットーネもどれも魅力的だ。
もちろん、これらの有名なパネットーネよりも地元のパネットーネが一番!と思っているイタリア人も多いかもしれない。
しかし食べてみないことには比べようもないので、せっかくイタリアに住んでいるからにはこれらの有名パネットーネを一通り食べて他ないだろう!(食レポ乞うご期待!)
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