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イタリア家探し

イタリアで家探し3 – イタリアの賃貸契約事情。家主と借り手の仁義なき戦い

イタリア家探し3-イタリアの賃貸契約事情 イタリア家探し

一時は私の拒否反応でイタリアへの移住を諦めかけたものの、ようやくピサに素敵な家を見つけることができた私達。

夫が片道1時間半をかけてせっせと賃貸契約の締結に向けて動いていたものの…一筋縄ではいかなかった。

今回は借主側が圧倒的弱者であるイタリアの賃貸契約時のことについて書いてみる。

前回の話はこちら↓

イタリアで家探し2 - 次の居住候補地ピサ!国際色豊かな学生の街
ようやく私がイタリアへ移住する決心ができ、始まった家探し。 まずはじめに夫が候補地として選んだリグーリア州の2つの街は、どちらもあまりにも私が思い描いていたイメージとかけ離れており、私は拒否反応のあまり旅行中に体調を崩してしまった。 ...

 

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イタリアの賃貸契約事情

賃貸契約

 

まずはイタリアで家を借りる際の賃貸契約事情について。

あくまで私達のケースなので、これがイタリアの標準かどうかは不明です。

 

イタリアの賃貸契約の流れ

イタリアでは日本と異なり、借主と貸主が対面で賃貸契約を交わす。
その流れとしては

    1. 住宅を見学(不動産会社ではなく、オーナーが直に案内)
    2. 賃貸申込み
    3. 収入や勤務先証明などの必要書類を、不動産会社等を介してオーナーへ提出
    4. オーナーが直に必要書類を確認(不動産会社では審査などは行わない)←ここがポイント
    5. オーナーがOKすると、本契約の日程が決定
    6. オーナーと借主は対面で賃貸契約書にサイン

ざっとこんな流れになる。

 

不動産会社による審査も保証人制度も無いイタリア

日本で住宅を借りる場合、大抵はオーナーと直に顔を合わせる機会などもなく、書類審査から本契約まで不動産会社が全て進めてくれる。

部屋を借りるための条件は明確で、その一定の条件の元で借主達は公平に審査される。

近年では、まともな不動産会社であれば出身地などの不当な理由でオーナーが借主を拒否することは原則禁止されている。(もちろん、阻止し切れている訳ではないが…)

が、イタリアの場合は不動産会社はそういった手続きには一切噛まない。

借り手側が提出する収入証明書などの書類はそのままオーナーに渡され、貸すか否かをオーナーが直に判断するのだ。

不動産仲介業者の仕事は本当に仲介のみである。

それで借主・オーナー双方それぞれから一ヶ月分の家賃分の紹介料を徴収するのだから、日本の不動産会社より大分良い商売だ。

という訳で、イタリアの場合はオーナーの好き嫌いで借主を選り好みできるのだ。

 

何故イタリアのオーナー達は家を貸し渋るのか?

好き嫌いで借り手を判断して一向に借り手がつかなければオーナーも困るのでは、と思うだろう。

しかし借りてくれれば誰でも良いという訳にはいかない理由がある。

現状、イタリアでは借主が家賃を滞納し、オーナーが頭を抱えるケースが多発しているという。

一度賃貸契約を結んでしまうと、例え家賃が滞納されてもオーナー側は借主をそう簡単には追い出すことが出来なくなってしまうらしい。

不動産会社も立ち退きには介入してくれない。

日本のような一定の審査基準に基づいて審査をしてくれるような第三者機関も無い以上、オーナー達も自分で自分の身を守るしかないようだ。

こうした事情により、オーナー達は賃貸契約には非常に慎重にならざるを得ない。

第三者機関がほぼ機能していないので、借主・オーナーの双方共に個人での戦いの世界なのだ。

という事情から、赤の他人よりも身内や知人に家を貸したがるオーナーが多い。

このような複雑な事情のおかげで、私達の家探しはどんどんと困難を極めていくのであった。

 

ピサの家、本契約直前のお断り。その理由に唖然!

お断り

 

斜塔で有名な観光地ピサに住むことに決め、さらに素敵な家も見つけてようやくイタリアに移住する決心がついた私。

2019年1月、私はいよいよ会社に退職届を出して移住に備えようとしていた。

 

現地でピサの家の賃貸契約を進める夫

一方の夫は仕事の傍で不動産会社を介してピサの家の賃貸契約を進めてくれていた。

賃貸申込みの手続きのために職場から片道2時間かかるピサまで何度も足を運んでくれた。

そしてようやく全ての申込に必要な書類が受理され、本契約の日付が確定した。

 

本契約の前日に一方的な契約破棄の通告

しかし、本契約の前日に夫から短いメッセージが入った。

「ピサの家、ダメになった」

…え、どういうこと!?

夫も不動産会社から一報が入っただけで詳しいことは分からないという。

書類の準備や手続きのためにピサまでの往復4時間、何度も足を運んだ夫の労力。

それがこんな直前になってダメになったなど、相当な理由がない限り納得いかない。

 

賃貸契約中に売れてしまった家

しかしその夜、夫から聞いた理由はとんでもないものだった。

あの家、売れてしまったらしい。

…は?

つまり、あのオーナーは賃貸サイトに掲載すると同時にあの家を売りにも出していたようだ。

それならそうと、何故賃貸申込みの際に「この家は販売中でもある」と言ってくれなかったのか!?

あのオーナーはこちらの足労をゴミくらいにしか思っていないのか?

実際には私自身は東京にいたので何もしていなかった訳だが、先方のナメた対応に憤りを感じた。

スマホの向こうで怒りに震える私に対し、夫はこう続けた。

「ただ、今は買主の審査中みたいで、もしその買主が条件を満たさなかった場合は貸しても良いと言っているらしいけど、どうする?」

いや、ふざけるなと。

私は即答した。

「いや、もういいよ、そんなオーナーから借りたくない。他の家を探そう!」

例え住み始めた後にでも突然「売れたから速攻出て行ってくれ」などとも言い出しかねない。

借りる前に本性が分かって良かったと今では思う。

 

再びエリア探しへ逆戻り

google検索画面

 

その後、夫と私で手分けしてピサの他の家を探したが、やはり学生寮のような家ばかりでファミリー用の物件は見当たらなかった。

仕方なく私達はピサを諦め、再び居住地を探すことにした。

 

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