私が2019年5月にこのイタリアトスカーナ州ヴェルシリア地方に移住して来て約2年半。
今年フィレンツェ近郊へ引越すことになりました。
その前にヴェルシリアのことを少しでも多く書いておこうと思います。
その一つがお勧めレストランのレビュー記事。
ヴェルシリアのビーチエリアはレストランの当たり外れが激しいので、少しでも参考にして頂けたらと思います。
フォルテ・ディ・マルミ（Forte dei Marmi）のミシュラン1つ星レストラン、Lorenzo（ロレンツォ）
Lorenzo（ロレンツォ）はトスカーナ州ヴェルシリア地方の街フォルテ・ディ・マルミ（Forte dei Marmi）の中心部に位置し、ブティックやレストランが軒を連ねる小さな通りに面した場所にある。
フォルテ・ディ・マルミ（Forte dei Marmi）については以下の記事をどうぞ♪
https://luitalia.com/forte-dei-marmi_beach-resort/
表から見るとそれほど大きな店構えには見えないが、中へ入ると奥行きがかなりある大型レストランだ。
ミシュランガイドでは、Lorenzoについてこう記されている。
Guests dining at Lorenzo’s elegant tables are guaranteed a fine dining experience, thanks to the excellent fish dishes, attentive and professional service, and the selection of over a thousand different wines.
Lorenzoのエレガントなテーブルで食事をする客は、素晴らしい魚料理、行き届いたプロフェッショナルなサービス、1000種類以上のワインのセレクションによって素晴らしい体験が保証されます。
とはいえ、初め私はミシュランの星を獲得したレストランについては少し懐疑的であった。
星を獲得してから値段だけが跳ね上がり、料理の質に見合わなくなってしまう店舗がよくある。
日本で何軒か訪れたことがあるが、もちろん素晴らしく美味しい店舗もあった一方で首を傾げたくなる味にガッカリした店舗もあった。
なので、今回についてもあまり期待し過ぎないようにしていた。
魚ってこんなに美味しくなるの！？絶品料理たち
イタリアのレストランのコースメニューでシーフードを選ぶと、大抵の場合は段々飽きてきてセコンドでは肉料理が恋しくなってくることもしばしば。
しかしLorenzoでは前菜からセコンドまで、ペロリと平げてしまったのだ！
ワイン
席についてまず聞かれるのはまずワイン。
夫は辛口、私は甘口が好き（しかもグラス一杯しか飲めない）なので、別々にグラスで注文することに。
私は店のマスターお勧めのこちらのワインにすることに。
↑ゲヴュルツトラミネール（Gewürztraminer）。ドイツ語のように見えるが、南チロル地方の白ワインだそうだ。
味は私好みの甘口で、フルーティでアロマオイルのようなハーブのような独特な香りがした。
焼きたてのフワフワもちもちパン
イタリアのレストランは、水が有料の代わりにパンが無料で、しかも食べ放題。
この焼きたてのパンはもちもちで美味しく、塩っぱくもないし、トスカーナ特有の塩が全く入っていない味なしパンとも違う。
私の心を鷲掴みにしてくる美味しいパンは息子（1歳半）も気に入ったようで、ほとんど息子に食べられてしまった（笑）。
スターター：白身魚のひと口コロッケ
こちらはメニューには記載されていないスターター。白身魚のひと口コロッケ。
紫キャベツの優しい甘酸っぱさのソースがよく合っていて全く揚げ物の油っこさを感じない上品な一品。
アンティパスティ（前菜）1：鮮魚の珍味盛り合わせ
次は生魚のカルパッチョやタルタルの盛り合わせ。
スズキやマグロ、エビやホタテなどの刺身が見事にイタリア風のお洒落なカルパッチョやタルタルに仕上げられており、ひと口食べるごとに幸せが口の中一杯に広がっていった。
味付けはどれも繊細で洗練されており、ソースはどれもコクがありまろやかだ。
アンティパスティ（前菜）2：ヒラメのフィレ、人参と西洋わさびのソース
カルフールオンラインが在庫切れの野菜を全て人参に置き換えて持って来たために我が家に溢れている人参。
そんな大して有り難みを感じない人参がこんなに見違えるような美味しいソースになるなんて！
さっぱりした塩味のヒラメのソテーに、甘い人参とピリッとした西洋わさび（ホースラディッシュ）のソースが絶妙にマッチしており、こちらもペロリと頂いてしまった。
アンティパスティ（前菜）3： 赤魚のパン粉焼き。グリル野菜添え
アラカルト3品目はメニューと異なっていた。（夫が変えるように頼んだのかもしれない）
外はサクサク、中はふわふわに仕上がった赤魚のパン粉i焼きと下のグリル野菜の甘み。
一緒に食べると口の中に香ばしさと野菜の甘みが広がる。
プリモピアット（第1の料理）：イカとホウボウのカラマラータ
カラマラータ（calamarata）はその名の通り、カラマリ（イカ）の形を模した輪っか状のパスタ。
魚介のダシの効いた濃厚なスープに肉厚のパスタの組み合わせが大変美味しかった。
いつも食べきれずに夫にあげてしまうプリモのパスタだが、この日は美味し過ぎて完食してしまった。
セコンドピアット（第2の料理）：アンコウの黒にんにくソース、アーティチョーク添え
メインディッシュの魚はなんとあんこう！
あんこう鍋くらいしか知らなかった私は、香ばしい黒ニンニクのソースが絡んだプリプリのアンコウにメロメロ！
いつもは飽きてしまってメインは半分以上夫にあげてしまうのが、これも完食してしまった。
魚料理を5皿、これだけバラエティ豊かに飽きさせずに食べさせてくれるとは…大大満足である。
レモンのソルベ（シャーベット）
フランス料理だと「お口直しのソルベ」はメインの前に持って来てくれるが、こちらでは最後、デザートの前に持って来てくれた。
こちらもシャーベットなのにクリーミーな口当たりで、でも食べた後は口がさっぱりして大変美味しかった。
甘いデザートを食べる前の口直しには丁度良かったと思う。
ドルチェ
ドルチェは5種類ほどの中から選ぶことができた。
↑夫が選んだのはティラミス。
こちらは軽くてフワフワなティラミスだった。
のってりした濃厚なティラミスが好きな私には少し物足りなかったが、別物と思えば美味しかった。
↑こちらはmillefoglie（ミルフィーユ）。
カリカリのキャラメルのような生地の中にクリームが挟んである。
こちらも美味しかったが、魚料理のレベルの高さから考えるとデザートは並みのレベルといったところだ。
Lorenzo（ロレンツォ）のメニュー
今回私たちが選んだのはTasting Menu （コースメニュー）の「ハート」だ。
ハートのテイスティングメニューは前菜3皿にプリモ・セコンド、それにパン、デザートとコーヒーがついてくる。
他にはダイヤとスペードのメニューがあった。
メニューはデジタル化
テーブルにつくとQRコードが載った名刺サイズの紙を渡される。
これを自分のスマホで読み取ると、メニューが載ったサイトへ誘導されるという仕組みだ。
イタリアのレストランでは環境への配慮から紙のメニューを廃止している店舗も多いが、まさかミシュランレストランでもデジタル化が進んでいるとは！
アラカルトでもコースでも
メニューはコースだけでなくアラカルトもある。
アンティパスティ（前菜）・プリモピアット（第一の料理）・セコンドピアット（メイン料理）をアラカルトから全て自分で選ぶこともできる。
アラカルトのメニューは公式サイトからも確認することができるが、コースメニューは店舗でもらえるカードにプリントされたQRコードから表示するPDFでしか見られないようだ。
ちなみに私達が訪れた日に渡されたQRコードから表示されたメニューはこちら。（恐らく定期的に変更されると思われる。）
Lorenzo（ロレンツォ）の接客
ヴェルシリアにはファッショナブルで美味しいレストランは沢山あるものの、接客ではやはりLoerenzoは群を抜いていた。
↑マヨネーズを作るパフォーマンス。
注文の取り方、ワインの勧め方…全て完璧
席についてから待たされることもなく、注文を取る際もスムーズで完璧。
どのスタッフもワインに詳しく、適切なワインを勧めてくれる。
料理が運ばれてくるペースも完璧で、イタリアのレストランにありがちな「食べ終わったのに放置」とか「次の料理が恐ろしく遅い」といったことは一切無かった。
また、古いイタリアンレストランの給仕スタッフがやりがちな、店内を四六時中ぐるぐる歩き回って客の様子を見て回るようなこともない。（私はこれが本当に嫌いなのだ！）
手が空いたスタッフは客から距離を取って立ち、客の皿が空になったタイミングで下げに来てくれる。
子連れに優しい
日本では1歳半の子供を連れてミシュラン星のレストランに行くなど考えられないが、ここでは嫌な顔一つされない。
子供用のパスタも、先に注文するとすぐに持って来てくれた。
スタッフの方も手が空くと息子をあやしてくれ、とても有難かった。
甲殻類アレルギーにも完璧に対応
夫が甲殻類アレルギーだったことは事前に伝えてあったが、こちらも完璧に対応してくれた。
甲殻類が使われる料理は全て美味しそうな魚料理に置き換わっていた。
英語も対応
スタッフは皆英語を話すことができ、私には英語で料理の説明をしてくれた。
メニューも英語の物があり、イタリア語が分からない外国人でも安心して入ることができる。
Lorenzo（ロレンツォ）の予算
今回私達が食べたコースは1人€110だった。
加えて息子用に頼んだパスタと魚料理は€50。
こちらにワインや水の料金も入れると、大人2名＋幼児で€300前後になる。
Lorenzo（ロレンツォ）のアクセス
Lorenzoは事前予約が必要だ。
なお、店舗に駐車場は無く、フォルテ・ディ・マルミの中心に位置しているので店の前に駐車することも難しい。
車で訪れる際は中心から少し離れた通りに停めることをお勧めする。
魚をここまで美味しく食べさせてくれるレストランは中々無い。
ヴェルシリアを訪れた際には是非お勧めしたいレストランの一つだ。