今回はイタリアの産婦人科で指導された、妊娠中に食べて良い物や食べてはいけない物について紹介しようと思う。
予想してはいたものの、日本よりも大分制限が緩かったように思う。
前回の記事はこちら↓

NGな食材
まずは禁止された完全にNGの食材から。
NGな食材1:生肉・加熱不十分の肉→先天性トキソプラズマ症のリスク
日本と同じく、イタリアでもまず挙げられたのが生肉や加熱不十分の肉だ。
生肉にはトキソプラズマという寄生虫が潜んでいる率が高く、妊婦が食べてしまうと胎盤を通して胎児に感染してしまう、私が思う中では一番恐ろしい感染症だ。
胎児がトキソプラズマに感染し、先天性トキソプラズマ症になってしまうと、最悪の場合は流産や死産、無事に生まれてこられても水頭症などの障害を持ってしまうこともある。
「加熱不十分の肉」となるとイタリアの生ハムやサラミも含まれるが、後述の通りごく一部の限定ブランドの生ハムであれば食べても良いと言われて驚いた。
生肉の取り扱いには細心の注意を
母親の不注意で生まれてくる子供に一生の障害を負わせてしまうことは絶対に避けたかったので、生肉については取扱いの段階から最新の注意を払った。
元々まな板と包丁は肉と野菜で分けていたが、生肉を扱った調理器具にはまず熱湯をかけ、その後は洗剤で2度洗いするようにした。
猫の糞や土にも潜むトキソプラズマ
しかし、困ったのが野菜についた土だった。
トキソプラズマは猫の糞や土にも潜んでいることがあるようで、妊婦は猫の糞や土に直接触れないように注意喚起されている。
しかし、イタリアは土だらけで売られている野菜も多い。
新鮮な野菜を販売する地元の八百屋ほど土付きの野菜を売っていた。
私は土を触るのが怖かったので、妊娠中は地元の八百屋ではなくスーパーで綺麗に洗われた野菜を買うことにした。
しかし、スーパーでもマッシュルームだけは土だらけのまま売られており、唯一通年で入手できるキノコなだけに避けることもできず…これは少し辛かった。
ナチュラルチーズ(フレッシュチーズ)→リステリア菌の感染リスク
日本でも禁止されているが、モッツァレラチーズやリコッタチーズなどの滅菌消毒されていない生チーズも食べないように言われた。
これらはリステリア菌に感染するリスクがあるという。
リステリア菌は食中毒を引き起こすことで有名だが、胎児に感染した場合は髄膜炎や敗血症を引き起こしてしまう可能性もあるというので、これも恐ろしい。
ハードチーズはOK
一方でパルミジャーノ・レッジャーノのようなハードチーズやスライスチーズのようなチーズは食べても良いという。
私はどのチーズなら良いという自己判断が怖かったので、チーズは全般的に加熱しないで食べることは避けた。
夫の実家で出来立てモッツァレラチーズを勧められる…
しかし年末に夫の実家に帰った際、私がモッツァレラチーズが大好きなこともあり、私の前にドーンとその日に出来立ての美味しそうなモッツァレラチーズが置かれていた。
妊娠中なので食べられない旨を伝えても、
「ここの地元で作られた最高品質のモッツァレラチーズだから大丈夫!」
と根拠の無い勧められ方をしたが、いくら美味しくてもリステリア菌がいない保証などできるはずがないので、無責任にリスクのある食材を妊婦に勧めてはいけない。
アルコール(と煙草)
日本でも常識だが、酒と煙草はもちろん禁止された。
とはいえ、17時のアペリティーボの時間になるとバールで一杯飲んでいるイタリアの妊婦さんもいたりしたので、医者によっては「一杯ならOK」という人もいたのかもしれない…。
私の担当医はNGと断言していた。
また、煙草ももちろんNG。
男女共に異様に喫煙率が高いイタリア。
もしかすると煙草が体に害があるという認識が無いのかと思っていたが、ちゃんとこうしたタイミングで禁止されることに少し安心した。
にも関わらず、ベビーカーを押しながらや小さな子供と手を繋ぎながら、平気で煙草をスパスパ吸う父親母親を大変よく見かけることに驚かされる毎日だ。
禁止ではないができるだけ控えるように言われた食材
次に、先生から「お勧めできないけど絶対ダメとは言わない」と言われた食材達である。
コーヒー(エスプレッソ)は1日一杯まで
イタリア人には欠かせないカッフェ(コーヒー)。
私もコーヒーが好きで、1日1杯は飲まないと調子が出なかったりもする。
コーヒーについては1日1杯ならOKと許可を頂いた。
とはいえイタリアのバールならほとんどどこでもデカフェのカプチーノを用意してくれ、これが普通のコーヒーと遜色無い味だったので、コーヒーについてはあまり辛く感じることは無かった。
また、Orzo(オルゾ)というカフェインレスの大麦コーヒーも手軽にスーパーで買えたため、家でコーヒーが欲しくなった時はホットミルクにOrzoを加えて飲んだりしていた。
刺身(生魚)は絶対禁止ではない
驚いたことに、刺身(生魚)については
「食中毒の危険性があるからオススメはできないけど、生肉のように絶対禁止というわけではない」
と言われた。
魚介類にはトキソプラズマはいない
トキソプラズマは哺乳類や鳥類などの温血動物に寄生するため、魚介類にいることはないという。
生物なので母体が食中毒を起こすリスクはあるものの、胎児に深刻な影響を及ぼす恐ろしい寄生虫や菌の心配は無いとのことだ。
スモークサーモンはリステリア菌の恐れ
但し、スモークサーモンは禁止された。
完全な生魚よりもスモークサーモンの方が危険というのは不思議だが、スモークサーモンは低温燻製されて作られる加工食品のため、加工の段階でリステリア菌が増殖するリスクがあるそうだ。
つわりの間に実際に刺身は食べてしまった私
絶対に禁止ではないとは言われつつも食べないようにしようと思っていたものの…
実はつわりの期間に刺身を食べてしまったのである。
というのも、つわりの間は肉や魚などのタンパク質類は一切食べられなくなってしまったからだ。
特に鶏胸肉や焼き過ぎた牛肉など、パサパサのものは全く受け付けなかった。
なので、唯一体が受け付けたのが刺身だけだったのだ。
あまりにも何も食べられないので、夫が不憫に思い私を近所のSushi&Chineseのレストランに連れて行ってくれ、サーモン、マグロ、スズキの寿司をつまんでしまった。
これが美味しいのなんの…!
キツイつわり中に刺身が食べられたのは涙が出るほど嬉しかったのを覚えている。
DOP(原産地保護呼称)認定の生ハムはOK
そして何より一番驚いたのが、生ハムもDOP認定のブランドであれば食べても良いと言うことだった。
DOP(原産地保護呼称)はイタリアの食品評価の中で一番厳しく、認定を受けている加工食品は、徹底された管理下で製造されている。
私が愛するサンダニエレやパルマの生ハムもDOP指定だ。
とはいえ、私は少しのリスクも犯したくなかったため、いくら大丈夫と言ってもらえても妊娠中に生ハムに手を出す気にはなれなかった。(万が一産地偽装されていたら大変だし)
と、以上が私の先生から言われた妊娠中の食べ物の注意事項だ。
日本の情報を調べるとさらに細かく厳しい情報も出てくるので、日本と比べると大分緩かったのでは兄かと思う。
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