NHK スイーツ列車紀行「欧州・魅惑のお菓子誕生秘話」- イタリア本島編
少し空いてしましましたが、「スイーツ列車紀行」の続き、イタリア本島編のレポートを書きたいと思います。
前回のシチリア編はこちら↓(私のお勧めのお店の情報も記載しています。)

スフォリアテッラ in ナポリ
メッシーナ海峡を電車の車両ごとフェリーで移動し、列車はナポリ中央駅に到着。
高島礼子さんはここでフィレンツェ行きのビジネス特急、フレッチャ・ロッサに乗り換えるのだが、その際にナポリ中央駅の構内でナポリ定番の朝食を買いに行く。
↑画面が少しブレてしまった(汗)
番組で紹介されていたのは、ナポリ中央駅の中に入っているバール、”Eccellenze della Costiera(エッチェレンツェ・デッラ・コスティエラ)”へ。
↑店内では陽気な店員とビジネス客が迎えてくれる。
そして↓これがナポリの定番の朝ごはん、スフォリアテッラ。
薄く幾重にも重ねたパイの生地で貝の形をかたどった焼き菓子だ。
↓幾重にも重なったパイ生地。
↓中にはリコッタクリームがたっぷり!外側はサクサク、中はプリプリだそうだ。
このスフォリアテッラ、列車で移動するビジネスマンも列車の中で当たり前のように食べているようだ(笑)。
私もナポリには行ったことがあるのだが、スフォリアテッラは食べそびれてしまった。
本場のスフォリアテッラはさぞかし美味しいことだろう…次に行った時には絶対食べておきたいスイーツだ!
イタリアンジェラート in フィレンツェ
ナポリからビジネス特急、フレッチャ・ロッサに乗ること3時間。
番組は花の都フィレンツエに到着。
実は世界的に有名となったスイーツ、イタリアンジェラートはフィレンツェで誕生した。
ジェラート誕生当時の味を守る老舗、ジェラテリア・バディアーニ(Gelateria Badiani)
番組で紹介されたのは1932年創業の老舗ジェラテリア・バディアーニ(Gelateria Badiani)。
↓バディアーニの店内の様子。
昔ならの味を守り続けるこのお店はフィレンツェ市民に大人気だそうだ。
一番の名物はこの↓ボンタレンティ(ブオンタレンティ)。
ジェラートが登場した当時の味を再現したアイスで、味はミルクベース。
材料は生クリーム、牛乳、砂糖、卵だけ。
シンプルで昔懐かしい味だそうだ。(食べてみたい…)
このボンタレンティ、実はこのジェラートをを開発した人物の名前から取られている。
ジェラートが誕生したのは16世紀。
ミケランジェロの愛弟子のベルナルド・ボンタレンティという芸術家がいた。
ベルナルド・ボンタレンティは彫刻や建築などで活躍していたが、宮廷の様々な演出なども手掛けていた。
そしてそんなボンタレンティの元に、メディチ家からある依頼が舞い込む。
「スペイン外交団の歓迎パーティで、あっと驚くようなデザートを用意しろ」と言われたのだ。
そこでボンタレンティが考えたのが甘くて冷たいジェラートだった。
当時既にかき氷は存在していたが、ボンタレンティは「氷はあくまでクリームを冷やすもの」として考えた。
ジェラートを作るため、ボンタレンティはフィレンツェの北、遥か100kmの標高1500mの山から氷を持ってきて氷室に保存した。
↑当時氷を保管するのに使われた氷室。
店には19世紀に使われていたジェラート製造機が保管されていた。
↑この中央に生クリーム、牛乳、卵、砂糖を入れ、周りに氷を入れて掻き回すして作る。
この店のジェラート職人によると、
「新しさも大事だが伝統を忘れてはいけない、お客さんは昔から変わらない味を求めてくる」
だそうだ。
ジェラート界の革命児の店、カラピーナ(Carapina)
次に訪れたのはジェラート会の革命時と呼ばれるシモーネ・ボニーニ氏が営むジェラテリア、カラピーナ(Carapina)。
昔は電気工をしていたシモーネ氏は2008年にカラピーナを創業。
競合の多いジェラート界で成功するには斬新なアイデアが必要と考えたシモーネ氏は、パルミジャーノのジェラートを考案。
しかし、2008年当初は全く売れなかったという。
そこでシモーネ氏は、「ガストロノミージェラート」という、料理にチーズのジェラートを合わせるアイデアを考案。
これが爆発的な人気となり、シモーネ氏はジェラート界の革命時に。
番組では、赤タマネギとワイン、砂糖を加えたジェラートをマグロに添える。
どんな味がするのだろうか?
シモーネ氏のアイデアは、高級レストアランでも採用されている。
シモーネ氏曰く、
「蓄積されたものが無いので自由な発想で作れる。自由な発想が無いと革新は起こせない。」
Budino di riso(ブディーノ・ディ・リーゾ) in ミラノ
フィレンツェを出て列車はミラノ中央駅に到着。
圧倒する巨大な駅舎と美術館のような装飾のミラノ中央駅は、世界で最も美しい駅と言われるそう。
この駅の構内にあるパスティッチェリア、パンゼラ(Panzera)へ。
↓ズラリと並ぶ美味しそうなドルチェ達…全部試してみたい…
この中から紹介されたのがBudino di riso(ブディーノ・ディ・リーゾ)。
牛乳と砂糖で煮込んだ米に卵を加えてオーブンで焼いたお菓子だ。
米処ミラノならではの米のお菓子。
↓ブディーノ・ディ・リーゾの断面。
↓拡大して見ると、中に粒々とした米が入っているのが分かる。
高島礼子さんの感想は
「もちもちしてお餅プディングという感じ。とっても美味しい!」
番組はこの後寝台列車に乗ってスイスへ向かうが、このブログで紹介するのはイタリアのドルチェまで。
ジェラートの誕生秘話などは、イタリア人である夫も「知らなかった!」と言っていたので、案外知らないイタリア人もいるのかもしれない…?