今年もまたクリスマスの季節がやって来た。
イタリアのクリスマスケーキといえばパネットーネかパンドーロ。
元々パンドーロ派だったのに昨年パネットーネの魅力にハマった私。
パネットーネはスーパーで5€程度で買えるものから30€以上する有名なメーカーの物まで様々ある。
この記事では、私が昨年食べてみたイタリアのスーパーで買えるパネットーネを紹介したいと思う。
ちなみにイタリアの有名店のパネットーネについて書いた記事はこちら↓

私が考えるパネットーネ(Panettone)の魅力
パネットーネはクリスマスに食べるケーキだが、11月に入れば店頭に姿を現し始める。
イタリアでは、クリスマスの1日に限らず11月下旬からクリスマス、さらには年明けまで食べ続けるもののようだ。
我が家も昨年は20個程度は消費したと思う。(大食い夫婦…)
普通のパネットーネはケーキというよりパンに近い。
しかし、毎日食べられるほどイタリア人に愛される魅力は何だろうか。
私が考えるパネットーネの魅力は、その飽きが来ない味だと思う。
パンのような感覚なのでケーキのように重くなく、適度な甘さは朝食にもお茶菓子にもなり得るという絶妙な位置付けの粉モノだ。
我が家でも、朝食のパン代わりになったと思えば午後のお茶菓子に食べたり夕食後のデザートになったりもし、思い出せばシーズン中は一日中パネットーネを食べていた。
それでもウンザリしない、不思議な魅力がパネットーネにはある。
パネットーネの評価基準
イタリアでよく言われるパネットーネの評価基準はこんな感じだ。
- 生産地:イタリア製であること
- 重さ:どっしりしていること(軽い物はパサパサしている可能性がある)
- 香り:パネットーネ酵母の良い香りがすること
- 味:芳醇なバターの味がすること
- 生地:しっとりしていてモッツァレラチーズのように裂けること(安物ほどパンのような感触
とのことだが、私が一番重視するのは5番目の生地、そして上に乗るアイシングだ。
クラシックのパネットーネは上に何も乗っていないが、その後様々なバリエーションが登場し、パスクア(イースター)に食べるコロンバのようにカリカリとしたクッキー状の物が乗ったパネットーネも出てきたのだ。
私はこの、しっとりした香り高い生地とカリカリのアイシングの組み合わせがたまらなく好きである。
スーパーでお馴染みのパネットーネ(Panettone)達
まずはイタリアのスーパーでよく見かけるパネットーネをいくつか紹介したい。
と言っても種類があまりにも多いので、全てをこの記事で紹介することはできない。
ここではあくまで私が見た範囲の物を紹介する。
Bauli (バウリ)
まず必ず見るのはBauli(バウリ)社のパネットーネだろう。
Bauliは1927年創業の、北イタリアヴェネート州ヴェローナに本拠地を置く最大手の菓子メーカーだ。
クリスマス関連商品についてはイタリア国内でシェアNo.1を誇る。
元はパンドーロのメーカーだったBauliだが、今ではパネットーネも実に色々な種類が充実している。
レーズンとcanditi(砂糖漬けドラーフルーツ)が入った伝統的なものやレモンクリーム入りのもの、子供受けするチョコレート入りの物まで、価格帯も様々だ。
低価格帯の物は5€前後と、家計に優しい。
そしてBauli社の製品は添加物や合成保存料を使用しない自然醗酵によって作られていることも魅力だ。
MAINA (マイナ)
MAINA (マイナ)社のパネットーネもBauliと同じく必ずスーパーで会うことができるパネットーネブランドだ。
MAINA社は1964年にイタリアのトリノで小さな菓子店として創業した。
MAINAもBauliと同じようにパンドーロの他、色々な価格帯のパネットーネを出している。
Motta (モッタ)
Mottaは1919年にミラノで創業した菓子・アイスクリームのメーカーだ。
スパークリングワインとセットになったパネットーネなどもある。
BALOCCO (バロッコ)
BALOCCO (バロッコ)はBauli社と同じ1927年創業のピエモンテ州フォッサーノに拠点を置く菓子メーカーだ。
BALOCCOのパネットーネも保存料、着色料はもちろん、マーガリンやショートニングは使用しておらず自然発酵で作られている。
BALOCCOはBauliやMAINAに比べれば種類は少ないが、数種類のパネットーネを出している。
上記の写真のパネットーネはシャンパン(ガンチア グラン・レアレ・ブリュット)とのセットで売られている。
Paluani (パルアーニ)
Paluani (パルアーニ)は1976年創業のイタリア北部ヴェネト州に拠点を置く菓子メーカーだ。
もちろんクラシックなパネットーネやベーシックなパンドーロもあるが、目についたのはこのどちらとも判断がつかない”STELLA DI NATALE(ステッラ・ディ・ナターレ)”という星型のケーキだ。
TRE MARIE (トレ マリエ)
これまで紹介してきたメーカーは3〜5€程度で買える商品だが、TRE MARIE (トレ マリエ)は13〜15€と、少しお高めのブランドだ。
何だか外装も高級感があって見るからに美味しそうだ。
↑このホワイトチョコのアイシングの上にベリーのフレークがまぶされた”ビアンコルビノ”なんか間違いなく美味しいに決まっている!
Bio(オーガニックのパネットーネ)
有名大手ブランドの他にも、そのスーパーの独自ブランドのパネットーネなんかもある。
これはCarrfour(カルフール)ブランドのBIO(オーガニック)のパネットーネだ。
2020年度 パネットーネ食べ比べレポート
上記に紹介したものなどはほんの一部で、本当にどれにしようか迷うくらい膨大な種類のパネットーネがスーパーの棚に並ぶわけだが、今回は昨年2020年に我が家が試してみたパネットーネの食レポをしようと思う。
Bauli – Panettone di Verona (バウリ ヴェローナ風パネットーネ)
私はクラシックなパネットーネに必ず入っているCanditi(砂糖漬けのドライフルーツ。大抵はオレンジピール)が苦手だ。
それもあってパネットーネには手が伸びず、これまで何度もイタリアのクリスマスを過ごしてきたのにずっとパンドーロばかり食べていた。
そんな時、去年夫が私に勧めてくれたのがこのBauliのヴェローナ風パネットーネだった。
“Zero canditi”と記載してある通りオレンジピールは入っておらず、混ざっているのはレーズンだけ。
このパネットーネが私をパンドーロはからパネットーネ派に変えたのだ。
↑中を開けてみると、上にコロンボのようなアーモンド入りのカリカリなアイシングが乗っている。付け合わせの粉砂糖は甘くなり過ぎそうだったので今回は使わなかった。
↑中はこのようにしっとりしている。
パンドーロはフワフワなパンという感じだったが、パネットーネはもう少ししっとりとしてブリオッシュのような食感だった。
感激する美味しさというわけではないが、その優しい味はふとした時に食べたくなるような不思議な魅力があった。
この上のアイシングのカリカリとしっとりとした独特な香りの生地が病みつきになり、この後私は様々なパネットーネを食べてみたくなった。
BALOCCO – GLASSUVETTA (Senza canditi)
そしてBauliと同一価格帯のバロッコも、アイシング有り&オレンピール無しのパネットーネを出していたので、これも買ってみた。
↑外観はこのような感じ。アーモンドは乗っていないようだ。
↑中はこのような感じだ。
生地はBauliと比べるとややパサパサしていたように思う。
が、バロッコは保存料・着色料・マーガリン・ショートニングを一切使用していないことを明言しており、安心して食べられるのが良い。
バロッコのパネットーネは日本でも購入可能のようだ。
MAINA Dolce PerLarge(マイナ- ドルチェ・ペルラージ)
MAINAで気になったのがこのプレミアム感溢れる白ワイン入りのパネットーネ。
もちろんオレンジピール抜きだ。
↑私の好きなアイシングは乗っていないようで少し残念。
↑綺麗な気泡ができた断面。
MAINAの普通のパネットーネを食べていないので比べられないのだが、芳醇な香りがして美味しかった。生地もとてもしっとりしていた。
しかし価格は20€と結構お高め。
確かに美味しかったが、美味しさと値段を比較するとBauliに軍杯が上がるかもしれない。
このMAINAのプレミアム版は無いが、クラシックパネットーネであれば日本で入手可能のようだ。
TRE MARIE – Capolavoro Bianco(トレ・マリエ – 白い傑作)
そして気になって仕方がなかった上位ブランドのトレ・マリエ。
この”白い傑作”というのを買ってみた。
↑オレンジピールはもちろんレーズンも入っていない無地で卵色の生地。
無地のため、何にも邪魔されずに生地の香りを楽しむことができた。
さすが上位ブランド、ふわふわのしっとり生地に卵の豊かな香りがし、上品な味わいでとても美味しかった。
5€前後のパネットーネは「パン」という感じだが、トレ・マリエのパネットーネは「ケーキ」と呼んで良い気がした。
これは一度試してみる価値はあるかもしれない!
Paluani – STELLA Di NATALE(パルアーニ – クリスマスイブの星)
そしてずっと気になっていたのがこのパルアーニの「イブの星」と名付けられた、パネットーネとかパンドーロかよく分からないケーキ。
高さが無いのでパネットーネのような感じがするが、通常パネットーネは丸型なのに対し、星型だ。
↑上には私の好きなカリカリのアイシングが乗っている。ギザギザの星のような形状だ。
今回は粉砂糖をまぶしてみた。
切った断面図はこちら。
卵の香り豊かなふわふわの生地。
背こそ低いが、これはパネットーネよりパンドーロに近いかもしれない。
パネットーネではなかったが、小麦粉と卵の豊かな香りがとても美味しいケーキだった。これもまたリピートしたい。
まとめ
と、このような書き方だとBauliが断然良いように捉えられてしまうかもしれないが、実は同一価格帯のパネットーネの間で味の差はそれほど無い。
「同じ値段の中なら私が敢えて選ぶならBauli」というだけであって、これも私の好みによるところも大きい。
つまるところ、基本的にパネットーネの美味しさは値段に比例するというのが食べ比べてみた感想だ。
段違いの美味しさ…!カルフール限定の職人パネットーネ
実は上記に書いたパネットーネ達とは別格の、感動的に美味しいパネットーネに出会った。
私がオススメするダントツ1位のパネットーネはこれだ。
カルフール限定版、T’A Milano(タ・ミラノ)の「ホワイトチョコ&キャラメル&ピーカンナッツの職人パネットーネ」だ。
実はクリスマスを過ぎた後、店頭に売れ残っているのを見かけて買ってみたのである。
これがもう、これまで食べてきたパネットーネは何だったのだろうというくらいに段違いに美味しかったのだ!
↑上には私好みのカリカリのアイシング。ピーカンナッツもふんだんに乗っている。
↑断面図。写真から生地のしっとり感は伝わるだろうか?
↑ピーカンナッツが混ざったアイシング。
しっとりとした生地はパサパサ感ゼロ!
口の中でとろけるのだ…そう、ホワイトチョコとキャラメルの幸せな甘味と共に…
一口食べて夫も私もため息が出るほどだった。
生地だけで言えば、クリスマスイブ用に特別にバールから取り寄せたパネットーネ(27€)を超えるかもしれない。
値段は約15€ほどするが、このクオリティでこの値段はめちゃくちゃリーゾナブルだと思う。
もしクリスマスに日本への手土産でパネットーネを持って帰るのであれば、私個人としては自信を持ってこのパネットーネをお勧めしたい!
そして今年もまたこのカルフール限定版を超えるパネットーネを探すべく、我が家のパネットーネ食べ比べ2021が幕を開ける!!(食レポ乞うご期待)
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