イタリア、トスカーナ州のビーチエリアに徐々に戻って来た日常
トスカーナのビーチエリアに関する前回の記事はこちら↓

店舗の再開の準備が進むトスカーナのビーチエリア
本日は6/2(火)。イタリアの共和国記念日である。
トスカーナ州のビーチ沿いに並ぶレストランも、今日から開店する店が多いようだ。
5/18にイタリアで外出規制が緩和されてから早2週間。
緩和されて間も無くビーチ沿いを散歩してみたが、初めの頃は未だ人々は警戒していたのか外を歩く人はまばらだった。
最高気温が30℃に達する日も出て来、カラッと気持ちの良い初夏の陽気にも関わらず、桟橋にもビーチにもほとんど人が見当たらなかった。
しかし一方で、コロナウィルスに関係なく近づいてくる夏の足音。
ビーチではひっそりと今年もbagno(バーニョ=海の家)の準備が進められていた。
広大なビーチにズラリと並ぶビーチパラソルをレンタルするbagno(海の家)。
今年はソーシャルディスタンスを保つために厳しいルールが敷かれており、通常よりもパラソルの数が少ない。
静まっているレストランも、中を覗いてみると、こちらもスタッフ達が中を清掃したりテーブルを並べたりなどし、6/2からの営業再開の準備を進めているようだった。
飲食店も、テーブル同士の距離を保つためにテーブル数を少なくせざるを得ない。
いつもならミラノやロシアなどから沢山のリッチなバケーション客が訪れるこのエリア。
私の街では、この夏のバケーションシーズンの商売で生計を立てている家庭も多いと聞くが、果たして今年はどうなるのであろうか…
一足先に楽しむイタリアの夏の一日
先週に入ると、海沿いでも営業を再開するバールやレストランが少しずつ出て来始めた。
私は今週妊娠38週に入り、子供が生まれたらしばらくは外出もままならないだろうということで、人出が少ないうちに一足早くイタリアの夏らしい一日を過ごすことに。
Aperitivo(アペリティーボ)- 夕食前のお楽しみ
海沿いをのんびり散歩した後、喉を潤すために17時半頃にバールに入る。
*Aperitivo(アペリティーボ)”を注文してドリンクを選べば、おつまみも自動的に付いてくる。
↑妊婦には嬉しいノンアルコールのモヒート(左)と、イタリアでは定番のカクテル、スプリッツ(右)
おつまみは店によって実に様々。
私が住むエリアでは、スナック菓子+小さなフォカッチャという組み合わせが多い。
↑ある店ではプロシュートのフォカッチャサンド、ポルケッタ、ポテトチップス
↑地元産の極上生サルシッチャを挟んだこだわりのパニーノを出してくれるバールも。
(生サルシッチャが食べられる店はそうそう多くない)
この辺りのアペリティーボは、ドリンク&おつまみ合わせて一人あたり6€〜8€で楽しめる。
もう数キロほど先のラグジュアリーなエリアへ行くと、一人あたり12€ほど。
イタリアのアペリティーボのおつまみは地域によって様々なので、色々楽しむと良いかもしれない。
特にアペリティーボ発祥の地、トリノでは、アペリティーボが夕飯になるくらい、豪華なフードが楽しめる。(私はビュッフェかと勘違いしたほど。)
海を眺めながらシーフードのディナーを堪能
19:30〜20:00頃になると、ビーチ沿いのレストランが開店し始める。
アペリティーボを楽しんだ後は、再びビーチ沿いを散歩しながらレストランへ向かおう。
他のレストランに先駆けて先週から開店していたレストラン。
しかしまだ客はほとんどおらず、私達の他には女性二人組とシニア夫婦の二組しかいなかった。
モダンでビジネスライクなレストランが立ち並ぶこの辺りにしては珍しく、夫婦で切りもりするアットホームな雰囲気が漂うレストランだった。値段もこの辺りにしては良心的。
しかし店内の席からも目の前で海を眺めることができる絶好のロケーションだった。
イタリア人がビーチエリアのレストランに期待するのは山盛りのシーフード。なのでメニューに肉料理が無い店も多い。あったとしても肉料理はイマイチなことが多い。
↑大抵かなりのテーブルで頼まれている人気メニュー、カラマリ(イカ)のフリット
↑カラマリとズッキーニのタリオリーニ(タリエリーニ)
タリオリーニは、タリアテッレ(きしめんのようなパスタ)よりやや細い平打ちパスタ。発祥はピエモンテ州だとか。
クリーム状になったズッキーニのソースがよく絡んで美味しかった!
↑デザートに選んだのはパンナコッタ。
少しザラッとした食感が残る手作り感満載のパンナコッタで、とても美味しかった。また、甘さ控えめのパンナコッタと周りのキャラメルソースがマッチして大変美味。
イタリアでは、食後にカッフェ(コーヒー)を頼むと、何も言わなければデザートを食べ終わった一番最後に持ってくる。
私は甘いデザートをコーヒーでリセットしながら食べる習慣が日本で身に付いてしまっており、日本で生活していた夫もジャパナイズされてしまったようなので、私達は必ずコーヒーを頼む際に「デザートと一緒に」とお願いしている。
また、通常カプチーノは朝に飲まれるもので、夜に頼むと怪訝な顔をされることが多いのだが、このビーチエリアは外国人観光客も多いためか、嫌な顔一つせず快く出してくれる。
(以前シチリアで夕食後にカプチーノを注文した際、「マシンが壊れて対応できない」と言われた。翌朝にはケロッと直っていたがw)
妊婦の私に嬉しいのは、大抵の店がデカフェナート(カフェイン抜き)に対応してくれる所だ。そして普通のコーヒーと遜色ない美味しさなのだ。
さすがコーヒー大国イタリア!
夜風を浴びながらの散歩
冬の間は16時半には夜にように真っ暗になってしまうイタリア。
5月に入ると一気に日が長くなり、20時過ぎまで明るい。
夕食を終えて21時過ぎに店を出ても、外はまだほんのりと薄明るさが残る。
少し雲が出て来て幻想的に染まった空を眺めながら家路に着く。
去年の7月〜8月、この辺りは夜中の3時まで人で埋め尽くされていたが、今年はどうなるだろう?
週7日、3食を家で用意する地獄からの解放
今回のコロナ禍の自粛生活で何が一番辛かったかと言えば、週7日、3食全てを家で用意しなければならないことだった。
以前は「今日は献立が思い浮かばない」「今日は別の用事で遅くなった」など事情があれば、気軽に外に食べに行き、気分転換をすることができた。
しかし延々と家で用意していると、そのうち献立にも煮詰まって来、毎日夕食を用意する時間が近づいてくると憂鬱になった。
軽いアペリティーボでも良い。
自分で用意する必要も洗い物のことを考える必要もなく、いつものダイニングとは違った景色で食事を楽しめる機会をこれほどまでに有り難く感じるとは。
コロナウィルスの感染者はまだで続けている。
が、どうかこのまま元のイタリアの日常に戻って行ってくれることを切に願う。
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