妊娠中、私が最も恐れていたのがトキソプラズマへの感染だ。
イタリアでは感染を定期的にチェックするため、国が定める妊婦検診の必須項目にトキソプラズマの抗体検査がある。
トキソプラズマとサイトメガロウィルスについて
トキソプラズマもサイトメガロウィルスも、抗体を持っていない妊婦が妊娠中に感染してしまうと胎児が先天性の障害を持ってしまう可能性がある。
妊娠中のOK・NGの食べ物の記事にも記載した通り、トキソプラズマは主に生焼けのや土、猫の糞などから感染する。
一方のサイトメガロウィルスは子供からの家庭内感染が主な感染経路のようなので、上の子がいなかったり子供と接する機会が少ない場合はさほど心配はいらないようだ。
万が一これらに感染してしまった場合、感染が判明した時点で適切な処置を受ければ胎児への感染を未然に防げる可能性が高いのだ。
従って、イタリアでは妊娠中は定期的に検査を受けることを推奨されている。
日本ではどちらも妊婦検診の必須項目ではない
日本ではトキソプラズマもサイトメガロウィルスも、どちらの抗体検査も妊婦検診の必須項目には指定されていないようだ。
なので、トキソプラズマの抗体検査の実施率は48.5%と、半数以上の施設で実施していないことが分かる。
サイトメガロウィルスの抗体検査に至っては、実施率はたったの4.5%とのこと。
サイトメガロウィルスは新生児の300人に1人が感染しているという現状からすると、もう少し周知徹底されても良いように思う。(参考:「これまでの厚生労働研究成果」より)
イタリアではトキソプラズマは妊婦検診の必須項目。一方サイトメガロウィルス(CMV)は任意
一方イタリアではトキソプラズマの抗体検査が妊婦検診の必須項目に指定されており、全て無料で受けられる。
しかしCMV(サイトメガロウィルス)の抗体検査は妊婦検診の必須項目には指定されていないので自費となる。(2021年現在)
トキソプラズマ抗体検査・サイトメガロウィルス(CMV)抗体検査の受け方
次に、イタリアでのトキソプラズマ・サイトメガロウィルスの検査の受け方を説明する。
トキソプラズマの検査は妊娠初期に1回、中期に3回、後期に2回と計6回受けるように定められている。
また、任意で推奨されているサイトメガロウィルスの検査も、回数とタイミングはトキソプラズマと全く同じだ。
検査の回数とタイミング
検査を受ける妊娠週数は以下の通り。
第1四半期(妊娠初期):妊娠7〜13週
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- 1回目:妊娠7〜13週
第2四半期(妊娠中期):妊娠14〜27週
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- 2回目:妊娠16〜18週
- 3回目:妊娠19〜23週
- 4回目:妊娠24〜27週
第3四半期(妊娠後期):妊娠28〜41週
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- 5回目:妊娠28〜32週
- 6回目:妊娠35〜37週
検査の受け方(通常の場合)
通常の場合とは、健康保険証を持っていてホームドクターも決まっている場合だ。
トキソプラズマとサイトメガロウィルスの検査は他の検査と同時に行うことが多いので、ここではイタリアの妊婦検診の受け方全般について説明する。
まず、健康保険証と妊娠証明書を持って地域保健所(ASL)へ行くと、↓このような「妊娠手帳(Libretto di gravisdanza)」という冊子をもらえる。
この冊子の最初の方のページに、妊婦検診で受けるべき検査と週数の一覧が記載されている。
そして冊子の残りのページはこれらの検査を受けるためのチケットで構成されている。
この冊子を持ってまずはホームドクターへ行き、該当する検査のチケットのページに必要事項を記入してもらい、病院を紹介してもらう。
その後は紹介された病院の産婦人科に予約を入れ、チケットを持参して検査を受ける、という流れになる。
ちなみにこのチケットは病院での会計時に提出することで検診費が無料になる。
健康保険証が無かった私の場合
健康保険証が無かった私の場合、妊娠後期までこの妊娠手帳を入手することができなかった。
なので、通院を始めたプライベートのクリニックの先生に検査の指示書を出してもらい、それを持って最寄りのプライベートの検査施設を予約した。
この検査施設もプライベートで完全予約ということで待たされることはなかった。
予約した日は朝食抜きで施設へ向かい、トキソプラズマ・サイトメガロウィルスの抗体チェックのための採血をする。
妊婦検診に必要な他の検査も含め、妊娠10週で初めて行った際には全部でシリンジ3本分の血液を採取された。
その日は採血・採尿するだけで終了。
検査結果は早くて翌日、遅くとも3営業日以内に出るので、結果が出る日に窓口まで取りに行く。
そしてその検査結果の写メを撮って産婦人科の主治医に送り、問題が無さそうであればそれで完了だ。
イタリアでのトキソプラズマとサイトメガロウィルス(CMV)の費用
さて、気になる検査費用については、プライベートで受けた私の場合は以下の通り。
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- トキソプラズマ抗体検査(anti TOXOPLASMA):18.5€
- サイトメガロウィルス抗体検査(anti CITOMEGALOVIRUS):18.5€
健康保険証があればトキソプラズマ抗体検査は無料だ。
ちなみに尿検査は8€、その他一般の血液検査が4€。プライベートでも安い!
そしてこれらの検査費用は夫の会社が加入している保険で8〜9割払い戻してもらえる。
…この待たされない快適さを考えるとプライベートで全然いいじゃないかと思ってしまう。
トキソプラズマとサイトメガロウィルス(CMV)の抗体検査結果の見方
最後に、出てきた検査結果の見方について。
トキソプラズマ抗体検査結果の見方
検査結果にはIgGとIgMの二つの数値の記載がある。
トキソプラズマに感染した場合、より早く陽性になるのがIgM抗体のようだ。
IgM抗体は初感染後2週間から要請を示し、数ヶ月で陰性になる。
一方でIgG抗体の陽性反応はIgMより遅れて出現し、数ヶ月〜数年持続するとのこと。
つまり、
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- IgG抗体陽性→既にトキソプラズマに感染したことがあり、抗体を持っている!
- IgM抗体陽性→妊娠中に感染した可能性が高いため、より詳細な検査が必要
ということになる。
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- IgG抗体:3IU/ml以上で陽性、1.6IU/ml未満で陰性(1.6〜3は判定保留)
- IgM抗体:0.6以上で陽性、0.5未満で陰性。(0.5〜0.6は判定保留)
ちなみに私はどちらの抗体も陰性だったので、一度も感染したことがないことになる。
サイトメガロウィルス(CMV)抗体検査結果の見方
左イトメガロウィルスについては
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- IgG抗体:6UA/ml以上で陽性、6UA/ml未満で陰性
- IgM抗体:1.0以上で陽性、0.85未満で陰性(0.85〜1.0は判定保留)
となっている。
こちらについても私は陰性だった。
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